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トップページ 産業保健と看護 第10回 PDCAサイクル|そうだったのか! 今さら聞けない産業衛生のきほん

あなたの会社の産業衛生は法に則り、きちんと機能していますか? ルーチンを見直すための視点をベテラン産業医が解説します。

第10回 PDCAサイクル

前回のお話の最後に「PDCAサイクル」という言葉が登場しましたが、今回はこのPDCAサイクルについて説明します。

PDCAは「Plan(計画)」「Do(実施)」「Check(評価)」「Action(改善)」をいいますが、この一連の作業を継続的に進めていくことをPDCAサイクルといいます(下図)。もともとは品質管理や生産管理で使われていた手法ですが、産業衛生の分野では、労働安全衛生マネジメントシステム※(OSHMS)でリスクアセスメントを行う方法として用いられています。

身近なPDCAサイクルの例として、健康診断受診率を考えてみましょう。まず健診受診率95%を目指すという目標を衛生委員会などで立案します(Plan:計画)。次に、受診率アップの広報活動として、健診受診についてのポスターや、イントラネットを用いて周知します(Do:実施)。そして、健診受診率の結果を衛生委員会で報告します(Check:評価)。翌年度はさらに受診率を増やすために、どのようにしたらよいか検討します(Act:改善)。

事業所の身の丈にあった活動を継続的に行い、安全衛生水準の向上を図るのがPDCAサイクルの狙いです。ぜひ、できるところから取り組んでみてください。

※労働安全衛生マネジメントシステムは、厚生労働省から指針(平成11年告示、平成18年改正)が策定されており、各事業所が自主的・継続的に安全衛生管理を無理することなく進めていく仕組み。



本連載は『産業保健と看護』2018年10巻5号に掲載したものを再掲載しております。

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◆著者プロフィール

勝木美佐子(株式会社産業医かつき虎ノ門事務所 所長)

平成5年日本大学医学部卒。平成8年より産業医業務開始。運送業、清掃業、製造業、地方公務員、病院、通信業、遊技業、アパレル業、IT業、ホテル業など多岐にわたる産業の産業医業務に従事。労働衛生コンサルタント、日本産業衛生学会指導医。