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トップページ 産業保健と看護 第8回 保健指導|そうだったのか! 今さら聞けない産業衛生のきほん

あなたの会社の産業衛生は法に則り、きちんと機能していますか? ルーチンを見直すための視点をベテラン産業医が解説します。

第8回 保健指導

前回までは健康診断と事後措置についてお話ししました。この流れに沿って、今回は保健指導について紹介します。

従業員が対象の保健指導には2種類あるのをご存知ですか?(下図参照)一つは、労働安全衛生法第66の7による保健指導です。「健康診断の結果、特に健康の保持に努める必要があると認める労働者に対し、医師または保健師による保健指導を行うように努めなければならない」とあります。産業医が健診結果を確認し、保健指導が必要な人を選び出す方法が一般的です。

もう一つは、特定保健指導や、病院で行われる二次健康診断等給付での保健指導です。これは、主にメタボリックシンドローム対象者や脳血管・心臓疾患のリスクが高い人が対象になり、疾病予防を目的に行われている保健指導です。

事業所で行う保健指導は、前者の労働安全衛生法に基づく保健指導がメインになります。疾病予防だけでなく、「勤務状況」もよく聴取し、労働者が健康を確保しながら就労できるようにすることや、業務によって健康障害が発生しないようにすることが重要です。

保健指導の呼び出しをしても、「すでに、特定保健指導を受けたから必要ない」と断る方も見受けられますが、趣旨が異なることを説明しましょう。また、指導された内容を本人からヒアリングし、生活習慣病予防と、就労による健康被害予防が効果的に行われるように指導してみましょう。



本連載は『産業保健と看護』2018年10巻3号に掲載したものを再掲載しております。

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◆著者プロフィール

勝木美佐子(株式会社産業医かつき虎ノ門事務所 所長)

平成5年日本大学医学部卒。平成8年より産業医業務開始。運送業、清掃業、製造業、地方公務員、病院、通信業、遊技業、アパレル業、IT業、ホテル業など多岐にわたる産業の産業医業務に従事。労働衛生コンサルタント、日本産業衛生学会指導医。