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トップページ 産業保健と看護 第7回 事後措置|そうだったのか! 今さら聞けない産業衛生のきほん

あなたの会社の産業衛生は法に則り、きちんと機能していますか? ルーチンを見直すための視点をベテラン産業医が解説します。

第7回 事後措置

前回は健康診断のお話をしました。では今回は、健康診断が終わった後の処理、事後措置について紹介します。

「事後措置」とは、健康診断の結果、異常所見があった従業員に対し、通常通り働かせてよいのか、制限を設けるべきなのか、休ませるべきなのかを調整する作業のことをいいます。

健康診断を実施する医療機関の医師は「異常なし」「要再検」「要治療」と“診断(医学判定)”を行いますが、産業医は「通常勤務」「要勤務制限」「要休業」と“意見(就業判定)”を事業者に具申します(下図参照)。

健康診断には従業員を働かせてよいかどうかの、メディカルチェックの意味合いがあります。ですから、健診の結果、要受診・要精密検査を指示された方の受診状況の確認はとても重要ですし、まさに皆さん産業保健看護職の出番になります

2017年の労働安全衛生法改正では、異常所見のあった労働者の業務の状況(作業環境、労働時間、作業態様等)について、産業医が求めたときは情報を提供することとなりました。

「勤務制限」についても「労働時間の短縮」「出張の制限」「時間外労働の制限」「労働負荷の制限」「作業の転換」「深夜業の回数の減少」「昼間勤務への転換」など多岐にわたります。最も効果的な事後措置を行うためにも、面談時に保健指導のみならず、業務の状況についてよく確認してみてください



本連載は『産業保健と看護』2018年10巻2号に掲載したものを再掲載しております。

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◆著者プロフィール

勝木美佐子(株式会社産業医かつき虎ノ門事務所 所長)

平成5年日本大学医学部卒。平成8年より産業医業務開始。運送業、清掃業、製造業、地方公務員、病院、通信業、遊技業、アパレル業、IT業、ホテル業など多岐にわたる産業の産業医業務に従事。労働衛生コンサルタント、日本産業衛生学会指導医。