右大腿骨遠位病的骨折に対する病巣掻爬+骨セメント充填+プレート固定術
- 提供者
- 岩田慎太郎(国立がん研究センター中央病院)
- 刊行日
- 2022年08月10日
- 時間
- 03:45
- 出典1
- 整形外科 SURGICAL TECHNIQUE(整形外科サージカルテクニック)2022年4号
- 出典2
- 連載「病的骨折の手術治療 若手医師のための治療延暦」
【サマリー】
右大腿骨遠位病的骨折に対する病巣掻爬+骨セメント充填+プレート固定術
77歳、男性
20XX年5月、右膝に疼痛を自覚し、近医受診。Xp、CTで左大腿骨遠位に溶骨性変化を認めた。また胸腹部CTにおいて、左腎腫瘤、左腸骨病変および両側多発性肺結節像を認めた。
当院転院後、左腸骨病変に対し経皮的針生検を実施し、腎細胞癌の病理診断を得た。
泌尿器科医とも相談し、合併症(脳梗塞、陳旧性心筋梗塞)もあり、また本人の同意も得られなかったことから、根治的治療は行わず、右大腿骨および左腸骨に対する緩和的放射線治療(それぞれ30Gy、50Gy)を実施し、近医でのフォローアップとなった。
20XX年12月、自宅にて転倒後に右膝の強い痛みが出現し近医緊急受診。Xpにて右大腿骨骨転移病変に病的骨折を認めたため、当院転送となった。疼痛強く、体動困難であり、また予後も半年以上はあると考えられたため、病的骨折に対する手術を実施することとした。
術前動脈塞栓術施行後、全身麻酔下で手術を行った。大腿骨病変の内側より菲薄化した骨皮質を開窓し、内部の腫瘍を可及的に掻爬した。その後外側より展開し、ロッキングプレートを用いて内固定術を行なった。最後に内側開窓部から骨セメントを充填し、手術を終了した。手術時間1時間55分、出血量194mL。
術後翌日より疼痛は軽減し、術後3日目より全荷重にて歩行訓練が開始された。術後10日目で近医に杖歩行自立で転院となった。
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