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脛骨近位部の偽関節

脛骨プラトー骨折後の偽関節症例

サムネイル
提供者
松村福広(自治医科大学)
刊行日
2022年04月30日
時間
11:36
出典1
症例から学ぶ偽関節の治療戦略
出典2
10 脛骨近位部・膝蓋骨の偽関節

【サマリー】
脛骨プラトー骨折後の偽関節症例

72歳, 女性
交通事故で受傷した。当初は長下肢シーネ固定がされていたがコンパートメント症候群を呈したため、受傷翌日に膝関節を架橋した創外固定と筋膜切開術が行われた。受傷後12日には左脛骨プラトー骨折に対してTaylor Spatial Frame(TSF)で固定された。しかし患者は創外固定の装着に耐えることができず、TSFは術後4ヵ月で抜釘された。その後はさらに6ヵ月間長下肢装具で固定されたが骨癒合は得られなかった。独歩は困難で、左下肢痛もあったため偽関節手術の目的で紹介された。
初診時所見:
左膝関節は屈曲40°、伸展-20°であった。屋内は這って移動していた。
画像所見:
脛骨プラトー関節面は主骨片である前内側骨片、前外側骨片、後外側骨片すべてが偽関節を呈していた。
治療方針:
仰臥位で手術を計画した。最初に内側アプローチから前内側骨片の偽関節部を新鮮化する。次いで外側アプローチで前外側骨片と後外側骨片の偽関節部を新鮮化する。重要な関節面は大きな後外側骨片なので、前内側骨片を骨幹部に対して整復しながら後外側骨片にそれらを合わせるように整復することを考えた。偽関節の強固な固定のために、内外側ともに4.5LPでの固定と骨欠損部への自家海面骨移植を予定した。
後療法:
膝の可動域訓練は術直後から開始した。術後6週で疼痛に応じて全荷重歩行を許可した。偽関節手術後3ヵ月で骨癒合が得られた、術後8年の時点では左膝関節痛はなく独歩であり、膝関節の屈曲は100°、伸展は-10°であった。

なお本症例は「Matsumura T.et al.Clinical outcome of open reduction and internal fixation for intraarticular complex tibial plateau non-union with 3-year minimum follow-up.J Orthop Sci.3,2021,403-8.」に報告している。ここに呈示した画像写真などはすべて新規のものである。

「症例から学ぶ 偽関節の治療戦略」次の動画

  • 上腕骨骨幹部の偽関節

    08:25

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