【第1特集】
治療と支援の今を知ろう
がんの治療と仕事の両立支援
国立がん研究センターの統計によると、年に約100万人ががんと診断され、その3割が就労世代の患者です。女性では若くして罹患することも多く、また長期生存率も上昇しているため、治療と仕事の両立はますます重要な課題です。本特集では、がん治療に関する最近の動向、両立支援の現状、メンタルヘルスケア、企業での情報の取り扱いや先進的な取り組みを取り上げました。本特集が、働く人々の治療と仕事の両立を支える職場づくりに向けた一歩となれば幸いです。
プランナー 久保 善子(共立女子大学 看護学部 地域・在宅看護学 教授)
■両立支援のためのがん治療 最近の動向
生島 壮一郎(伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 人事総務部 健康支援室 統括産業医)
■両立支援の現状
永田 昌子(産業医科大学 医学部 両立支援科学 准教授)
■がんに罹患した社員のメンタルケア
平井 啓(大阪大学大学院 人間科学研究科 人間科学専攻 准教授)
■社内での情報の取り扱い
石川 薫(オリンパス株式会社 人事 東京 EHS グローバル本社健康管理室 保健師)
■社内ピアサポートの取り組み
山本 香織(三菱ケミカル株式会社 人事本部 人事部健康支援グループ 保健師/両立支援コーディネーター)
岡本 春美(三菱ケミカル株式会社 人事本部 人事部健康支援グループ 産業医)
真鍋 憲幸(三菱ケミカル株式会社 人事本部 人事部健康支援グループ 統括産業医)
【第2特集】
従業員を守り離職を防ぐ
職場におけるカスタマーハラスメントの問題を考える
顧客が企業の従業員やスタッフに対して迷惑行為を行う、カスタマーハラスメントが問題となっています。2025年6月 4日、カスハラから従業員を守る対策を企業に義務づける改正労働施策総合推進法が成立しました。どの業界においても何らかの予防策を講じる必要があります。安全配慮義務の責任を問われるような事態に陥る可能性もあり、相談対応者となりうる産業看護職が知っておきたいことがらをまとめます。
プランナー 三木 明子(関西医科大学 看護学部 看護学研究科 精神看護学領域 教授)
〈総論〉
■カスタマーハラスメントを取り巻く社会の動き
三木 明子(関西医科大学 看護学部 看護学研究科 精神看護学領域 教授)
■カスタマーハラスメントに対する組織体制の整備と強化:産業保健職の積極的な関与に向けて
増田 将史(株式会社 Smart OHW 代表取締役)
■カスタマーハラスメントに対する組織的アプローチ
島田 恭子(一般社団法人ココロバランス研究所 代表理事/保健学博士)
■カスタマーハラスメントによりメンタルヘルス不調者が出た場合の対応
鎌田 直樹(北里大学 医学部 精神科学)
■カスタマーハラスメント事例からみた職場の対応のポイント
淀川 亮(弁護士法人英知法律事務所 弁護士)
■覆面座談会 トラブルに強い職場環境をつくる
【連載】
□今こそ伝えたい わたしが考える 産業看護の魅力
□学び場&コミュニティのご紹介 産業保健の沼へようこそ
□働く人すべての健康を支える! 開業保健師という働き方
□著者に聞く『病院・医療機関のための 治療と仕事の両立支援の 進め方』
