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トップページ 産業保健と看護 第22回 職業病と作業関連疾患|そうだったのか! 今さら聞けない産業衛生のきほん

あなたの会社の産業衛生は法に則り、きちんと機能していますか? ルーチンを見直すための視点をベテラン産業医が解説します。

第22回 職業病と作業関連疾患

今回は、職業病と作業関連疾患についてのお話です。この両者の言葉、どこかで聞いたことがあるかと思いますが、区別できますでしょうか?

「産業医学の父」といわれるベルナルディーノ・ラマツィーニ博士は、その生涯を通して職業病について研究されました。まさに、職業病は産業衛生の根幹となるものです。

定義として、職業病は、特定の職業や業務に従事することによってかかる確率が高くなる疾病をいい、有害要因が直接発症に関連します。一方、作業関連疾患は、業務と疾病の発症との間に直接の因果関係はないものの、数多くの要因の中の一つとして、作業条件などが多少は疾病の増悪や進展に影響を及ぼすと考えられる疾患群をいいます。

産業衛生の発展により、労働安全衛生法でさまざまな規定がなされ、従来の職業病といわれる疾患は減少してきました。有害物質の代替物質を検討し、作業空間を密閉・排気し、保護具を徹底するなど、対策を講じてきたおかげです。一方、仕事の質や量、職場の人間関係など、心理・社会的なものの変化により、作業環境関連疾患は増加傾向にあります。労働安全衛生法の目的に「快適な職場環境づくり」が示されていますが、まさにこれが作業関連疾患の対策になり得ます。これからは、心身ともに快適な職場環境づくりを意識してみてください



本連載は『産業保健と看護』2020年12巻5号に掲載したものを再掲載しております。

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◆著者プロフィール

勝木美佐子(株式会社産業医かつき虎ノ門事務所 所長)

平成5年日本大学医学部卒。平成8年より産業医業務開始。運送業、清掃業、製造業、地方公務員、病院、通信業、遊技業、アパレル業、IT業、ホテル業など多岐にわたる産業の産業医業務に従事。労働衛生コンサルタント、日本産業衛生学会指導医。