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トップページ 産業保健と看護 第20回 二次健康診断|そうだったのか! 今さら聞けない産業衛生のきほん

あなたの会社の産業衛生は法に則り、きちんと機能していますか? ルーチンを見直すための視点をベテラン産業医が解説します。

第20回 二次健康診断

会社の健康診断で、「二次健康診断」というと2種類あるのをご存じでしょうか?一つは、特殊健康診断の場合の、再検査の意味合いを持つ「二次健診」です。管理区分B以上の方に行いますが、定期健診の再検査とは異なり、事業所が実施(負担)するものになります。

もう一つの「二次健診」は、労災保険の一つである二次健康診断等給付制度の「二次健診」です。これは、過労死などの原因である脳血管・心臓疾患の発生の予防を図るために施行される制度です。こちらは、事業所負担・自己負担金ともになく、検査および保健指導が現物支給されます。

直近の定期健康診断の結果で、血圧・脂質・血糖・BMIの4つのすべての検査について異常があると診断された場合に、二次健康診断と特定保健指導(栄養指導・運動指導・生活指導)の給付がなされます(ただし、すでに脳血管疾患または心臓疾患の症状を有している者、定期健康診断から3カ月以上経過している場合は除きます)。また、4項目において「異常なし」と診断されても、事業所の産業医らが異常所見を認めると判断した場合も対象者になります。

健康診断の結果が戻ってきましたら、ぜひ、二次健診対象者の確認もしてみてください

二次健診の健診項目
・空腹時血糖値
・空腹時血中脂質
・HbA1c
・負荷心電図または心エコー検査
・頸部エコー検査
・微量アルブミン尿(一次健診で尿蛋白が+または±の場合)


本連載は『産業保健と看護』2020年12巻3号に掲載したものを再掲載しております。

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◆著者プロフィール

勝木美佐子(株式会社産業医かつき虎ノ門事務所 所長)

平成5年日本大学医学部卒。平成8年より産業医業務開始。運送業、清掃業、製造業、地方公務員、病院、通信業、遊技業、アパレル業、IT業、ホテル業など多岐にわたる産業の産業医業務に従事。労働衛生コンサルタント、日本産業衛生学会指導医。