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トップページ 産業保健と看護 第17回 労働基準監督署|そうだったのか! 今さら聞けない産業衛生のきほん

あなたの会社の産業衛生は法に則り、きちんと機能していますか? ルーチンを見直すための視点をベテラン産業医が解説します。

第17回 労働基準監督署

突然ですが、みなさんの職場で、労働基準監督署が立ち入り調査に来たという経験はあるでしょうか? この立ち入り調査は「臨検監督指導」と呼ばれ、この質問のごとく、ある日突然、労働基準監督署の監督官がやってきます。

労働基準監督署は、事業場が「労働基準法」「労働安全衛生法」「労災保険法」などの各種労働法令を遵守しているか、立ち入り調査し、事情聴取や書類の確認を行います。不備があれば指導し、改善を求めます。これが臨検です。

立ち入り調査の結果、重大・悪質な法令違反や、長期にわたり是正勧告に応じなかったり、告訴・告発がある場合は、刑事訴訟法に基づき捜査・尋問が行われます。労働基準監督官および労働基準監督署長は司法警察員であり、捜査や尋問、送検、逮捕をすることができます。

労働安全衛生法に関する項目で、指導される主なものとして、衛生管理者・安全衛生委員会・健康診断が挙げられます。ここで注意したいのは、安全衛生委員会を実行していても、議事録を保管していなければ指導の対象になるということです。健康診断も、実施はしていても産業医による事後措置が行われていなければ、やはり指導の対象になってしまいます

臨検の際には、監督官は書類の確認・調査を行いますから、みなさんの衛生活動について、ぜひ書類に残していきましょう。



本連載は『産業保健と看護』2019年11巻6号に掲載したものを再掲載しております。

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◆著者プロフィール

勝木美佐子(株式会社産業医かつき虎ノ門事務所 所長)

平成5年日本大学医学部卒。平成8年より産業医業務開始。運送業、清掃業、製造業、地方公務員、病院、通信業、遊技業、アパレル業、IT業、ホテル業など多岐にわたる産業の産業医業務に従事。労働衛生コンサルタント、日本産業衛生学会指導医。