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トップページ 産業保健と看護 第14回 安全配慮義務|そうだったのか! 今さら聞けない産業衛生のきほん

あなたの会社の産業衛生は法に則り、きちんと機能していますか? ルーチンを見直すための視点をベテラン産業医が解説します。

第14回 安全配慮義務

この連載は「産業衛生のきほん」というテーマですが、産業衛生のいちばんの目的は何でしょう。それは、労働災害防止に尽きると思います。労働災害防止とは、働くことによって生命や身体を脅かされることのないよう、安全かつ快適に働くことができるようにすることです。そしてその目的を遂行するため、事業所には「安全配慮義務」が課せられています。

「安全配慮義務」は産業衛生の基礎となる法律、労働安全衛生法第3条*に明記されていましたが、近年では労働契約法第5条**にも明記され、厚生労働省は条文の文言にある「生命、身体等の安全」には、心の安全や健康も含まれると通達しています。そのため過重労働やパワハラ対策も、「安全配慮義務」のひとつと考えられます。

安全配慮をするための視点を産業衛生の5管理(3管理+統括管理、労働衛生教育)で整理するとのようになります。

危険作業や有害物質を扱う職場だけではなく、安全管理者を設置する必要のない事務職でも「安全配慮」が重要になります。みなさんの職場はいかがでしょう?



*事業者は、快適な職場環境と労働条件の改善を通じて職場における労働者の安全と健康を確保する。

**使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をする。



本連載は『産業保健と看護』2019年11巻3号に掲載したものを再掲載しております。

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◆著者プロフィール

勝木美佐子(株式会社産業医かつき虎ノ門事務所 所長)

平成5年日本大学医学部卒。平成8年より産業医業務開始。運送業、清掃業、製造業、地方公務員、病院、通信業、遊技業、アパレル業、IT業、ホテル業など多岐にわたる産業の産業医業務に従事。労働衛生コンサルタント、日本産業衛生学会指導医。