あなたの会社の産業衛生は法に則り、きちんと機能していますか? ルーチンを見直すための視点をベテラン産業医が解説します。
第13回 快適職場環境改善
前回のストレスチェックについての最後に、「働きやすくてモチベーションの上がる環境を整える」ことをお話ししました。今回は快適職場環境改善についてがテーマです。
職場は8時間勤務の場合、平日だと1日の3分の1以上滞在している空間です。そのため、職場を「ただ働く空間」としてとらえるのではなく、「過ごしやすい空間」にしていくことが望まれます。厚生労働省からの「事業者が講ずべき快適な職場環境の形成のための措置に関する指針」(表)を参照し、職場環境をチェックしてみましょう。
過ごしやすい環境は働きやすいため、労働災害防止につながります。またモチベーションも上がり、仕事効率も期待できます。職場が快適だと心に余裕ができ、イライラや不快感の閾値も上がり、人間関係もスムーズになることが期待できます。
表以外に、「いつでも」「どこでも」お金をかけずにできる職場環境改善方法は「挨拶励行」です。職場の雰囲気を盛り上げるためにも、気持ちよく朝の挨拶を互いに心がけてみてはいかがでしょうか。
快適な職場環境は、整備した後もその維持が重要です。3S(整理、整頓、清掃)&挨拶で継続していきましょう。
本連載は『産業保健と看護』2019年11巻2号に掲載したものを再掲載しております。
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◆著者プロフィール
勝木美佐子(株式会社産業医かつき虎ノ門事務所 所長)
平成5年日本大学医学部卒。平成8年より産業医業務開始。運送業、清掃業、製造業、地方公務員、病院、通信業、遊技業、アパレル業、IT業、ホテル業など多岐にわたる産業の産業医業務に従事。労働衛生コンサルタント、日本産業衛生学会指導医。