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トップページ 産業保健と看護 第11回 喫煙対策|そうだったのか! 今さら聞けない産業衛生のきほん

あなたの会社の産業衛生は法に則り、きちんと機能していますか? ルーチンを見直すための視点をベテラン産業医が解説します。

第11回 喫煙対策

皆さんの職場の喫煙対策はいかがでしょうか?

職場の喫煙対策は、2015年6月に改訂された労働安全衛生法と健康増進法により厳しく規定されています。

労働安全衛生法第68条の2(受動喫煙の防止):事業者は労働者の受動喫煙を防止するため、当該事業者および事業場の実情に応じ適切な措置を講ずるよう努めるものとする。

厚生労働省では、職場の受動喫煙防止対策の進め方について次の3つをあげています。

①現状把握と分析:とくに配慮すべき労働者の有無、空気環境測定結果、施設の状況、労働者や顧客の受動喫煙防止に対する理解度・意見・要望、喫煙状況

②具体的な対策を決める:分析結果を踏まえて、対策を衛生委員会で調査・審議する

③対策を実施する・点検する・見直す

上記の②、③は、対策を決めて(Plan)、実施して(Do)、点検して(Check)、見直す(Act)という、前回解説したPDCAサイクルを活用します。①の「現状把握と分析」においても、職場の喫煙率や分煙状況を確認(Plan)し、受動喫煙の健康影響について健康講話を行います(Do)。その後タバコに対する意見・要望を聞き(Check)、禁煙教室を開催する(Act)というように、スパイラルアップしていきましょう()。


※受動喫煙対策については、2018年7月に健康増進法の一部を改正する法律が成立し(2020年4月施行)により、室内喫煙の禁止、喫煙専用室設置などのルールが義務化がされました。2019年7月には職場における受動喫煙防止のためのガイドラインが発表されています。

最新情報もあわせてご確認ください。



本連載は『産業保健と看護』2018年10巻6号に掲載したものを再掲載・編集しております。

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◆著者プロフィール

勝木美佐子(株式会社産業医かつき虎ノ門事務所 所長)

平成5年日本大学医学部卒。平成8年より産業医業務開始。運送業、清掃業、製造業、地方公務員、病院、通信業、遊技業、アパレル業、IT業、ホテル業など多岐にわたる産業の産業医業務に従事。労働衛生コンサルタント、日本産業衛生学会指導医。