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トップページ 産業保健と看護 第1回 安全衛生委員会|そうだったのか! 今さら聞けない産業衛生のきほん

あなたの会社の産業衛生は法に則り、きちんと機能していますか? ルーチンを見直すための視点をベテラン産業医が解説します。

第1回 安全衛生委員会

読者の皆さん、はじめまして。産業医の勝木美佐子と申します。このコーナーでは、産業衛生に初めて携わる人事労務の方はもちろん、ベテランの産業保健スタッフの方でも「あぁ、そうだったのね」と、産業衛生の基本知識をおさらいしていただける内容を紹介します。

まず最初は、大切な場であるにもかかわらず活用されていないことの多い「安全衛生委員会」の運用についてです。皆さんの事業場の安全衛生委員会は、どうですか? 嘱託産業医として多数の企業の安全衛生委員会に出席していると、まさに十社十色であると感じます。充実感あふれる委員会もあれば、改善を指示せずにはいられないときもあります。

たとえば、事務局からの報告のみで終わる「発表会」委員会、委員長が事務局を質問攻めにし、事務局がすべて回答する「質疑応答」委員会。そういう安全衛生委員会では、ほとんどの委員は一言も言葉を発しません。残念なことです。

委員たちは、貴重な時間を割いて安全衛生委員会に出席しています。ぜひ、各委員に発言していただき、活発に意見交換をしてほしいと思います。そのためには、あらかじめ安全衛生委員会のアジェンダ(課題)を各委員に配布し、各部署の意見をまとめて報告してもらう方法も一案かと思います。

そして絶対改善してほしいケースは、「事業者が参加していない」委員会です。この場合の委員会では、事務局の人事労務担当者が司会を行っています。しかし、労働安全衛生法では「議長は事業場の総括管理するもの(総括安全衛生管理者等)」と規定されていますので、事業場の管理者(社長、工場長、人事総務部長など)に出席してもらうようにしてください。



本連載は『産業保健と看護』2017年9巻2号に掲載したものを再掲載しております。

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◆著者プロフィール

勝木美佐子(株式会社産業医かつき虎ノ門事務所 所長)

平成5年日本大学医学部卒。平成8年より産業医業務開始。運送業、清掃業、製造業、地方公務員、病院、通信業、遊技業、アパレル業、IT業、ホテル業など多岐にわたる産業の産業医業務に従事。労働衛生コンサルタント、日本産業衛生学会指導医。