2022年10月8日に開催された「ペリプリスペース第5夜」では「先輩に聞いてみる! 助産師のいろんな活躍の場、本当は楽しいNICU・GCU編」というテーマでペリネイタルケアプリセプターズの3人にお話しいただきました。今回からはNICU・GCUで働いている助産師uyuさんにもご参加いただいております。
【助産師だからこその活躍についてどのように感じていますか??】
◆まんまるさん(クリニック勤務助産師)
私は勤務経験の半分がMFICU(母体胎児集中治療室)なので、お子さんがNICUに入るお母さんの強い不安もたくさん感じてきました。
普段からNICUやGCUの経験がある助産師さんは寄り添い方が違うなと感じていて、自身も、今からでもNICUやGCUに行ってみたいと思うことがあります。
超未熟児(超低出生体重児)の帝王切開には出生後の処置に備えてNICUの助産師が一緒にサポートしてくださることがあるので、かっこいい姿を目の当たりにすることが多いです。
◆キャリーさん(病院勤務・実習指導助産師)
私の妹が早産だったので、姪がNICUにお世話になりました。妹が自分を責めて泣いている中で、もちろん搾乳などの介助はできたのですが、もう少し寄り添えたらよかったなと感じました。
NICUでは日々の成長を記録に残してくださっていて、とても支えになっていたようです。まんまるさんが仰っていたように、とても寄り添い上手ですよね。
現場では、やむを得ず早産になったときに小児科医と共に新生児蘇生の準備をして赤ちゃんを迎えるのですが、緊張している中でNICUの助産師さんが保育器を押しながら「こっちは大丈夫」と言ってくださったときは、とても心強かったです。
◆uyuさん(GCU勤務助産師)
産科の方がNICUやGCUのことをどう思っていらっしゃるか聞けて嬉しい気持ちになりました。
私は看護師としてNICU・GCUに勤務した後に助産師資格をとって、再度、戻りました。出産後にお母さんの体は変化していくので、助産学を学んだからこそカルテの情報やお母さんの表出内容を照らし合わせて細かいケアを行うことができるようになりました。
また、授乳介助の際にNICUの赤ちゃんは哺乳力が弱いのでお母さんの母乳の状況も把握しながら関わるようになりました。助産師としての保健指導まで学んだことでより知識を活かした働き方ができています。
【NICUやGCUのお仕事について教えてください】
◆uyuさん
NICUは早く小さく生まれた赤ちゃん、急性期の赤ちゃんがお母さんのお腹の中と同じ環境で成長できるように援助をしながら、お母さんと一緒に育てていくところです。
赤ちゃんの週数や体重が増えてきて哺乳量が安定してくると退院の準備に入るのですが、そのくらいにGCUに移動します。赤ちゃんが赤ちゃんらしく成長するために、退院に向けてお母さんの不安へのケアや指導を行っていくのがGCUの役割です。GCUでは、退院に向けてチューブではなくお口から飲めるように、お母さんの希望も聞きながら、赤ちゃんの疲れやすさなどをみながら哺乳意欲を確認しています。
【キャリーさん、まんまるさんからuyuさんへご質問やご感想はありますか?】
◆キャリーさん
瓶哺乳で赤ちゃんの哺乳力の低下をアセスメントした上でお母さんの授乳を介助しているのがとても勉強になりました。私もGCUに授乳に向かうお母さんは緊満がないか確認して、事前に少し搾乳してご案内できたらと思っています。
◆uyuさん
お母さん自身が少しおっぱいを触ってきてくださるだけでも、小さい赤ちゃんにとっては飲みやすくなるのでお伝えしていただくだけでも嬉しいです。授乳の部分は産科の助産師さんの方がお得意なので頼りにしております。
◆まんまるさん
私の勤務していた病院はNICU・GCUに助産師が不在の日は産科病棟から呼ばれていくことがあるのですが、モニターのついている赤ちゃんの抱っこや哺乳介助は不安があるので、NICUやGCUの看護師さんが神様のように思えていました。
お母さんたちはNICUやGCUから出た赤ちゃんが退院するときは不安が強いと思うので、傍でずっと赤ちゃんに寄り添い成長を見守ってきたuyuさんたちから退院指導を受けられることは本当に大切だと感じました。
◆uyuさん
ありがとうございます!
【赤ちゃんにたくさん関わる皆さんに赤ちゃんの推しポイントをお聞きしたいです】
◆キャリーさん
それぞれの可愛さがあるのですが、私は3,800gくらいの“大きめちゃん”のほっぺたが落ちそうな感じやあご回りのぽちゃぽちゃした感じが好きです。
◆まんまるさん
私は“小さいちゃん”は顎がシャープなので、一生懸命動かして哺乳するところや、手足のしわが多いところも可愛くて好きだなと思います。“大きいちゃん”も背中や肩に丸みがあってお尻なんかも好きですね。
◆uyuさん
早産児ちゃんが大きくなってくるときの体のフォルムや顔つきが可愛くて、推しですね。
【リスナーさんから質問】
助産師新卒でGCUで働いているものです。新卒でGCUに配属され楽しみながらも助産師としての在り方に悩みながら働いています。
uyuさんに質問したいのですが、日々のケアの中で大切にしていることを教えてください。
◆uyuさん
ここにいる赤ちゃんは皆、だれかお父さんお母さんの大切な子どもで、本当だったらお家でお父さんお母さんと一緒に過ごしているはずが、今、ここで毎日を過ごしている。この赤ちゃんの今日という日は戻って来ない……。そう感じながら、ここは限られた環境なのですが、一日いちにち、自分が関わることで赤ちゃんがちょっとでも良い方向になるように、自分のケアを丁寧にちゃんと行おう、と思っています。
【リスナーさん(新生児集中ケア認定看護師)から】
私の職場にも助産師さんは活躍してもらっています。助産師さんの気付きや活躍は本当に大切な力です。
素敵なスペースありがとうございました。
【最後に皆さんからコメントをお願いします!】
◆キャリーさん
今回はuyuさんが初参加ということでNICU・GCUの助産師の活躍についてお聞きすることができ、周産期チームとして一緒に働きながらも知らなかったことや新たな発見がありました。お母さんと赤ちゃんに関わる際の想いも聞くことができて、とても勉強になりました。
◆まんまるさん
NICUやGCUの配属になって落ち込む新人さんも見かけることがありますが、本当にかっこいいなと思いますし、NICUやGCUの経験は助産師として働く上でも強みになると感じました。
uyuさんのように前向きに頑張って活躍してほしいです。
◆uyuさん
今日は初めて参加させていただき、ありがとうございました。
いつもキャリーさんやまんまるさんの話を聞きながら産科が羨ましいなと思う気持ちもありつつ、同じような環境の助産師さんを応援したいと感じています。NICUやGCUで働きたいと思う助産師さんを増やすことができたらいいですね。
今日は私にとって自己肯定感が上がり、頑張ろうと思えるスペースでした。今後もNICUやGCUの良さを発信していきたいです。
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キャリーさん、まんまるさん、uyuさんの温かなメッセージもたくさん収録しておりますので、ぜひスペースのアーカイブも聞いてみてくださいね。
(協力:難波安衣子)
❤ペリプリ(Perinatal Care プリセプターズ)メンバー
助産師キャリー/アドバンス助産師
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まんまる(時々産婦人科医の旦那さんと「まんまる夫妻」)/助産師
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