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トップページ 新生児・小児/助産/ウィメンズヘルス Cure&Care&Nursing 「その先」まで気にかける医療を目指して|嶋田真弓|Roots|#032

大阪母子医療センター 母性内科 副部長

嶋田真弓


 私は今、産婦人科医として母性内科で働いています。大阪母子医療センター(以下、当院)の母性内科では、持病がある妊婦や、妊娠糖尿病・妊娠高血圧などの妊娠合併症がある妊婦の診療、持病のスクリーニングなどを行っています。母性内科では、妊娠前から疾患の管理を考える場面も多く、「プレコンセプションケア」と呼ばれる妊娠前からの関わりを重んじています。その関わりは、妊娠中、産後、そして次の妊娠へと続いていきます。

 かつて当院の産婦人科で働いていた頃、母性内科の先生方に助けられながら合併症妊娠や妊娠合併症を診療していました。その後、別の場所で働くうちに、自身の知識や経験では十分に妊婦を支えられないと感じることがありました。そんな折、当院の母性内科の先生方に「一緒に働かないか」と誘っていただき、ここであらためて周産期医療を学び直そうと考えました。再びこの場所に戻り母性内科の一員として働く中で、知識や経験を深めるとともに、妊娠中や産後にとどまらず、将来の妊娠の可能性までをも考える、より長い時間軸で女性を支える視点を学んでいます。

 振り返った時に印象に残っているのは、分娩が差し迫って初めて産婦人科を受診した人、長い間医療にかかることなく、妊娠をきっかけに初めて疾患の診断を受けた人たちのことです。医療につながる前にどんな事情があったのか。退院後、誰が支え、どんな場所なら安心して過ごせるのか。そうした問いがたえず私の頭の中にあります。当院では、医療職種だけでなく多職種と行政とが力を合わせ、周囲の支えが必要と思われる妊産婦、いわゆる社会的ハイリスク妊産婦などの支援にも取り組んでいます。

 産婦人科と母性内科での経験と知識をつなぎ、これからも自分のできることを一つひとつ重ねていきたいと考えています。ここで働く私のRootsは、これまで出会った人たちから教えてもらったこと、育ててもらったことにあります。「あの人、今頃どこでどうしているかな?」そんなふうに、女性のその先の人生へ想いを寄せることも、私にとっては大切な医療の一部です。



本記事は『ペリネイタルケア』2026年9月号の連載Rootsからの再掲載です。