八木哲也先生(名古屋大学大学院 医学系研究科 臨床感染統御学分野 教授/一般社団法人 日本環境感染学会認定制度委員会 委員長)に「新しい日本環境感染学会認定制度について」をご執筆いただきましたので、掲載いたします。
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新しい日本環境感染学会認定制度について
はじめに
このたび日本環境感染学会では、新しく認定制度を立ち上げることになりました。筆者は、その認定制度立ち上げを中心となって担う、認定制度委員会の委員長を拝命しています。認定制度委員会では教材作成ワーキンググループと認定制度試験問題小委員会を設置し、準備を進めてきました。まずはここまでたどり着けたことについて、新しい認定制度設立にご理解とご協力をいただいた方々に、深く感謝申し上げます。
認定制度設立の経過
まず、「なぜ今学会の認定制度設立となったのか?」の背景について述べたいと思います。日本環境感染学会では、教育委員会活動(さまざまな教育ツールの作成、疫学トレーニングコースやインストラクターコースの開催など)や教育施設認定制度(感染制御専門職などの教育研修、地域の病院および診療所などの感染対策に関する相談への対応など)により、感染対策についての教育・啓発活動を行ってきましたが、その教育対象は感染対策の有資格の看護師などが中心でした。しかしながら、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行や薬剤耐性菌の広がりを経験して、現場の感染対策を担う人材育成の裾野をより広げて、感染対策の全体のレベル向上を推進する必要性が高まりました。
これまでの日本での感染対策に関わる認定・専門制度は、感染対策に関わる各医療専門職の分野で認定される資格にもとづいていました。当学会の認定制度では職種横断的な感染対策の認定制度であるところが大きな特徴となっています。これまで感染対策に関する認定・専門制度のなかった医療従事者の方々や、高齢者施設の職員の方々に感染対策の認定の門戸を広げ、学会活動を通じて日本の感染対策の質向上をめざすことが、今回の新認定制度の大きな目的となっているのです。
本認定制度の内容
本認定制度は表1の3段階からなり、2026年4月より第1ステップのCertified Infection Preventionist(CIP)認定制度の運用が開始されています。追って第2ステップA-CIP、第3ステップE-CIP認定を制度化して運用を開始する予定です。表2にCIP の認定のカリキュラムにもとづく教材の一覧を示します。感染対策の基本として必要となる事項が教材として作成されています。
表1 認定制度のステップ
表2 CIP教育カリキュラムにもとづく教材一覧
教材について
受験される方の学習の助けとなるように、学会ウェブサイト会員専用ページ内にこれらの学習教材のスライドを格納しています(専用ページに入るには会員IDとパスワードが必要です)。スライドの内容およびその参考文献を参考にして学習していただければと思います。認定制度規程や認定の手引き、受験などに必要な書類については、学会ホームページの「委員会」内の認定制度委員会のところに掲載しています。
受験資格
高齢者施設の職員の方は、施設が日本環境感染学会の施設会員であれば受験可能です(施設会員施設から何人でも受験は可能です)。高齢者施設の中に、感染対策の基本的な知識を身に付けた職員がいると、病院から感染対策の支援を受ける際に、コミュニケーションが非常にスムーズになり、双方にメリットが大きいと考えます。
今回の第1ステップでは、各医療専門職で感染対策に関連する認定をすでに取得されている方々には、受験免除で認定を行うこととしています。新たな学会の認定制度の意義をご理解いただき、多くの人に学会認定も受けていただきたいです。さらには自施設内のリンクスタッフの方々や、連携している病院や高齢者施設の方々に、ぜひ認定の取得をお勧めいただければと思います。
委員会企画
認定制度委員会としては、2026年7月9~11日に開催される第41回日本環境感染学会総会・学術集会で、委員会企画として企画①「新しい認定制度ってどんなもの?」、企画②「新認定制度第1ステップに向けた基礎講座」を開催する予定です。こちらもぜひ多くの学会員の方々に参加いただければ幸いです。
多職種からのメッセージ
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*INFECTION CONTROL35巻7月号の掲載の記事となります。
*本記事の無断引用・転載を禁じます。