産科で出生する36~37週の赤ちゃん。
元気なのだけれど、哺乳がうまく進まない。やっぱり母乳を進めるのはあきらめたほうがよいのかしら……。瓶哺乳に代えてみたけれど、やっぱり時間がかかる。母子同室のほうが哺乳が進みそうだけれど、ほんとに安全なのかな……。
元気に生まれてよかった! 保育器の中で少し観察しよう。あれ、なんだか呼吸がしんどそう。いきなり搬送して母子分離するのはお母さんも心配するからできる限り避けたいし、もう少し院内で観察できるかも……。あれ、「うーうー」言ってない?
早産だし血糖測定を忘れないようにね。2時間後血糖45mg/dL……早めに飲んでもらおう。5時後血糖45mg/dL。8時間後血糖47mg/dL。これっていつまで新生児室でみていいの?
お母さんが時間をかけて一生懸命授乳してくれているけれど、なかなか体重が増えない……。お母さんも日に日に疲れてきて、自信を無くしてしまって、何て声をかけたらいいの……。
ちょっと早産なだけだと思っていたら、こういった経験ありますよね。何を基準に退院許可してよいのか。どのタイミングで搬送すればよいのか。心配する家族にどう寄り添うのがよいのか。今回のテーマは「36~37週で生まれた赤ちゃんのケア あんしんガイド」。一見元気そうに見えるけれど、この、ちょっと早産で出生する赤ちゃんが増えています。医療スタッフも家族も安心・安全に赤ちゃんを出産し、育てることができるよう、もう一度、知識の生理・確認をしていきましょう。
プランナー
淀川キリスト教病院
周産期母子医療センター長
豊 奈々絵
本記事は『ペリネイタルケア』2023年6月号特集扉からの再掲載です。