新生児のケアは、目の前の赤ちゃんが「正常」か「異常」であるかを見極めることから始まります。しかし、経験年数に関係なく、「これって大丈夫?」「様子を見てよいの?」「搬送すべき?」と迷うケースは少なくありません。特に小児科医が常駐していない産科施設では、助産師や看護師、産科医が初期対応の最前線を担うため、正確な知識と冷静な判断が不可欠です。
“なんとなく元気がない(not doing well)”-この一見曖昧なサインに、重大な疾患の初期兆候が隠れていることがあります。本増刊号では、そうした見逃してはならない症状や所見を、「正常との違い」や「対応のポイント」とともに丁寧に解説します。呼吸や循環、消化器、中枢神経、水・電解質、皮膚所見まで、新生児の全身状態を系統的に整理し、観察・評価・記録・保護者指導に活かせる実践的知識を網羅しています。
さらに、退院時や1か月健診、産後ケア施設での月齢に応じた評価ポイント、搬送基準、成長・発達フォローアップの視点も充実させました。新人助産師・看護師からベテラン、そして研修医・若手産科医まで、すべての周産期医療スタッフにとって、新生児対応力を“まるごと”底上げできる一冊としてお届けします。
最後に、本企画にご賛同いただき、快くご執筆をお引き受けくださった先生方に、心より御礼申し上げます。また、企画の立ち上げから刊行まで辛抱強くご尽力くださった編集部の皆さまにも、深く感謝申し上げます。
編集
日本大学 医学部 小児科・新生児科 診療教授
長野伸彦
本記事は『ペリネイタルケア』2026年夏季増刊 序文からの再掲載です。