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トップページ 新生児・小児/助産/ウィメンズヘルス Cure&Care&Nursing 無意識の反骨精神がスタートだった?|吉田美香子|Roots|#027

東北大学大学院 医学系研究科
ウィメンズヘルス・助産学分野 教授

吉田美香子


 3人姉妹のいちばん下に生まれた私は、幼いころから「男の子が生まれると思っていたら女の子だった」と親にも周囲にも言われるという男尊女卑の洗礼を受け、無意識に、男性を含むマジョリティへの反抗、社会で活躍する女性への憧れを抱いて育ちました。学生時代は、男性を看護する姿を想像できず、気がつけば助産師を目指していました。そのときに出会ったウィメンズヘルスに強く惹かれたのは、潜在的な反骨精神からだったと今は思います。

 もともとメジャーなものを避ける性分なので、大学院時代には、マイナートラブルとされる産後の尿失禁、骨盤底リハビリテーションを研究テーマに選びました。お世話になった理学療法士さんから、「最近、筋機能評価に超音波画像が使われるようになってきたから使ったら?」と言われて取り組んでみたところ、超音波画像のわかりやすさに心を奪われ、それ以来、超音波画像一筋です。また、排尿ケアにも「沼り」、高齢者の排尿自立指導料(現:排尿自立支援加算)の保険収載、骨盤底リハビリテーション外来での中高年女性や前立腺全摘除術後の男性への対応など、貴重な体験をさせてもらいました。その経験から、思春期~老年期のライフサイクルで広く女性の健康を捉えることや、性役割の縛りから男性は男性で苦労していることも理解できるようになりました。 

 子どもを持ち、学生に教える立場になった今、若い人たちが、“男女”という区分に縛られることなく、セクシュアリティ(身体的性、性自認、性的指向、性表現など)や生殖(子どもを持つか持たないか、持つならどのような方法でいつ持つか)を自由に選択し、自分らしく幸せに生きられる社会に関心を持つようになりました。ウィメンズヘルスは、女性の健康を基盤にしながら、性と生殖に関連する多様な健康へのケアを包摂している学問だと思います。このフィールドでの助産師の活躍を広げることが、今の目標です。



本記事は『ペリネイタルケア』2026年4月号の連載Rootsからの再掲載です。