MENU
新規会員登録・ログイン
トップページ 新生児・小児/助産/ウィメンズヘルス Cure&Care&Nursing 医師 20 年目のいま思うこと|坂井拓朗|新生児医療の あ!のひと|#014

医師20年目のいま思うこと

 医師になって20年目。新生児医療の面白さ、奥深さを感じている毎日。自分がどのよ うな道をたどってきて、どのように感じてきたのかを振り返ってみたいと思います。

  私が小児科になるきっかけは、「子どもの笑顔を見たいから」という、ごく普通のきっかけでした。しかし、その日々はさまざまな忘れられない記憶として残っています。医師3年目に初めて担当した超低出生体重児。毎日泊まり込みのような生活(今では完全にアウトですが)を繰り返しながら感じた自らの無力さと、新生児医療への憧れ、魅力。単純な私がその時に感じた、「この子たちを救うことができれば全ての小児を救うことができるのでは」という勘違い(?)のなかで、新生児医療を専門とすることに決めました。ちょうどそのころは、「stress-velocity関係」などによる心機能評価・管理が花開いてきた時代であり、新生児医療に対して大きな夢と希望を持たせてくれました。

  新生児医療に関する人気の講演を聞くために最前列ど真ん中の席に位置取っていたにもかかわらず、興奮しすぎたのか急に鼻血を出し、顔面を押さえながら途中退席したのも良い思い出です。ずっと北海道の地で医療に携わってきましたが、学会での新生児医療のトップランナーの先生方との出会いにも非常に刺激を受けました。出会うきっかけはさまざまでした。臨床、研究だけではなく、むしろ自分の大学時代からやっていた、空手、スキー、バイクがこんなにも人とつながるきっかけになるのだと、自分の趣味にも感謝しました。そのつながりが一つのきっかけとなり、モンゴルへの新生児蘇生法(NCPR)展開にも参加させていただきました。いつになっても自分の未熟さには愕然としますが、やはり大事なことは人との縁だとあらためて感じています。

  私の周りには尊敬すべき先輩方や頼もしい同僚、刺激をくれる後輩たちがいます。そして何より、赤ちゃんが生まれた瞬間から(ご家族は生まれる前からも)ともに成長を感じ、喜び、時には悩みながらも、患者家族と歩んでいけることが新生児医療の醍醐味であり、私にとっての何よりの幸せとなっています。


札幌医科大学附属病院 産科周産期科(新生児)助教
坂井拓朗

     ●     

す!がおのひとこと

 最近、趣味のバイクにはあまり乗れていないのですが、夏は出張先の病院まで乗って行くことがあります。北海道の出張先までは片道200〜300kmあり、普段では乗れないような距離を自由気ままに乗って行くことができます。当然NICUからの呼び出しもないので、まさに自由です。もちろん安全運転。後ろのバッグには新生児蘇生法モデル(人形)を乗せながら……。


本記事は『with NEO』2026年2号の連載「新生児医療の あ!のひと」からの再掲載です。