妊娠中から生後2歳ごろまでの期間は、母子双方にとって健康管理が非常に重要な時期です。特に、新生児や乳幼児は感染に対する免疫が未発達であるため、感染症の予防には適切な時期と決められた回数のワクチン接種が必要です。しかし、日本ではワクチン接種に対して不安を抱く妊婦や母親が少なくありません。
2024年には、RSウイルス母子免疫ワクチンという新しいタイプのワクチンが登場しました。これにより、周産期におけるワクチン接種のあり方が大きく変わっていく可能性があります。プレコンセプションケアの概念が広まり、妊娠前の女性にも健康管理の重要性が周知され、ワクチン接種もその一環として注目されています。また2024年は、乳児ワクチンも大きな変化がありました。今までの4 種混合ワクチンにインフルエンザ菌b型(Hib)が加わった5種混合ワクチン、肺炎球菌ワクチンが13価よりも多くの血清型をカバーする15価・20価のワクチン
が定期接種として導入されました。
本特集は、妊娠中および生後2 歳までに推奨されるワクチン接種に関する、最新かつ正確な情報をわかりやすく提供することを目的として企画しました。ワクチンの副作用やその対処法、妊婦や母親の不安を軽減するための説明ポイントなど、助産師の皆さんが現場で活用できる実践的な内容です。ワクチン接種は、妊婦や新生児の健康を守るための重要な予防手段であり、正しい知識をもって対応することが母子の健康を守る上で不可欠です。全国の妊婦やその家族に役立つ情報をお届けできるよう、ぜひご活用ください。
プランナー
名古屋大学医学部附属病院 総合周産期母子医療センター 生殖周産期部門 病院教授
小谷友美
日本大学 医学部 小児科学系小児科学分野 主任教授
森岡一朗
本記事は『ペリネイタルケア』2025年5月号特集扉からの再掲載です。
➡︎連載「姿勢と呼吸をととのえるガスケアプローチ」の動画はこちらから
*** 今月号からスタートの新連載!! ***
日本母体胎児医学会 MEME プロジェクト
助産師のための超音波レッスン
今や助産師外来でも欠かせないツールである超音波検査。
「興味はあるけど難しそう……」という方に向け
産科医の若手メンバーが交代で解説していきます。
<第1回>超音波って、いったい何? いま何が見えているの?
ペリネイタルケア読者の皆さん! こんにちは。
私たちは、日本母体胎児医学会の若手メンバーです。このたび、「MedicalとEngineerが創るMirai(未来)へのEducation(教育)プロジェクト」として、MEMEプロジェクトを立ち上げました! 日本全国で母児を守っている産科医・助産師の皆さんと一緒に、周産期領域に関する教育を広めていくために活動しています。本連載を通じて、皆さんに知識を提供するだけでなく、「理解できている」という安心感を持っていただくとともに、同じ職場の方々と学びを共有することで、学びの輪がさらに広がることを期待しています。
★ペリネイタルケア読者限定で、母体胎児医学会のホームページにある動画コンテンツを無料で視聴することができます。
