専門職としての医療職はどうあるべきでしょうか? 新しい研究知見、ガイドラインの策定や改訂など、日々アップデートされていく情報が周囲にあふれています。しかし毎日の勤務に追われて過ごしていたら、今のままの状態をキープすることはおろか、むしろ後ろへ後ろへと流されていってしまいます。そこで必要なのが「リスキリング(Reskilling)」です。
リスキリングとは、職業能力の再開発、再教育のことを指し、実務を行いながら学び直すことが期待されます。たとえば助産師でありながら他資格を取得するなど、職業の幅を広げる行動がイメージされますが、もっと身近なことからでも、「リスキリング」の気持ちで取り組んでいけば、スキルアップとともに、成長の機会を得ることができます。自分の関わる領域については、常にアップデートされた知識や技術をキャッチし、スキルを磨いたり、新しい知見を取り入れることが重要です。雑誌・書籍の購読はもちろん、学術集会や研修会にも足を運びましょう。
今はオンライン研修も豊富ですから、パソコン・スマホで学ぶこともできます。そして同じ領域や他領域の人たちと話し合いましょう。意見を交わし、正しいものを学び取る目を養って、人生100年時代、学び続ける助産師個人の習慣、学び続けることを支える組織風土を培っていきたいと考えます。
本特集では産科領域のケアを見直し、読者の皆さまと「リスキリング」してみたいと思います。各項を精読され、日々の実践に役立てられることを願います。
プランナー
長崎大学生命医科学域 教授
江藤宏美
本記事は『ペリネイタルケア』2025年4月号特集扉からの再掲載です。
*** 今月号からスタート!! ***
新連載①
アドバンス助産師 活躍・活用 report 学ぶ・動く・存在価値を高める!
<File1>アドバンス助産師の認証取得でみえたもの 前編
CLoCMiP®(助産実践能力習熟段階)レベルⅢに認証された助産師は、アドバンス助産師と呼ばれます。
2015 年に認証制度が始まり、いまやその活躍は全国に。
第一線のアドバンス助産師の活動から、認証取得・更新のヒントを得てください。
新連載②
保健指導・産後ケアで使える 姿勢と呼吸を「ととのえる」ガスケアプローチ
<エピソード 1>ガスケアプローチとの出会い 92
ペリネ(骨盤底筋群)ケアの第一人者であるド・ガスケ医師が考案した、姿勢と呼吸からのアプローチによる身体訓練法、ガスケ・メソッド。助産師としての経験を踏まえ、ガスケ医師の著書を翻訳してきたシャラン山内由紀さんが解説します。
