COVID-19によるパンデミックは、家族面会の制限など、医療現場に大きな影響を与えました。面会制限によりNICUから家族の姿が消え、子どもと家族のはじまりを支えるケアの基盤が大きく揺らぎました。一方、こうした状況は、子どもと家族がともに過ごすことの意義をあらためて深く考える機会にもなりました。しかし、パンデミックから約5年が経過した今でも、国内では依然として何らかの制限が続いている施設が少なくありません。
“ファミリーセンタードケア(FCC)”という言葉はNICUの医療従事者にとって身近なものとなりましたが、その理解や実践の在り方はさまざまであると感じています。FCCとは何か……今一度、考えてみませんか?
本特集では、国内外のFCCの実際を医療従事者の皆さまに紹介いただくとともに、NICU卒業生のご家族からも率直な想いを寄せていただきました。NICUは家族のはじまりとなる場所です。本特集を通して、赤ちゃんや家族のために私たちができることをあらためて考える機会になればうれしく思います。
プランナー
神奈川県立こども医療センター新生児病棟主任、
新生児集中ケア認定看護師
豊島万希子
本記事は『with NEO』2025年2号特集扉からの再掲載です。
