MENU
新規会員登録・ログイン
トップページ 新生児・小児/助産/ウィメンズヘルス Cure&Care&Nursing 幸せな産前・お産・産後が地球を救う|木村恵子|Roots|#013

しらさぎふれあい助産院 院長

木村恵子


 私には、娘が3人います。3回のお産を経験しました。1人目は総合病院で出産したのですが、2人目と3人目を助産院で出産した直後に「またこのお産がしたい!」と思ったのです。現代において、助産院で出産する人はごくわずかです。その理由は、私がそうであったように、みんなも助産院を知らないからに違いないと考えました。みんなに助産院を知ってほしい。だから、自分が助産師になって、助産院をつくって、自分のような経験をする人を増やしたい!と思うようになりました。

 それでも迷って、踏み出すまでに8年かかりました。そして、41歳で看護大学に入学し、45歳で助産師・看護師・保健師の資格を取得しました。2015年に助産院を開業し、2022年にはクラウドファンディングや融資を受けて、今の場所に助産院を移転・拡大しました。開院時から特に産後ケアに力を入れており、現在は年間3,000件の産後ケアを行っています。まだまだ数は少ないですが、お産にも対応しています。

 2024年は、多くの方に助産師や助産院を知ってもらいたくて、『ふれあい地球フェスinなかの』という3,000人規模のおまつりを助産師の仲間たちと開催しました。これからも、さまざまな方法で助産院のよさを広めていきたいです。また、今後は助産院を開業したい方のお手伝いができればとも思っています。まつりの開催にあたり「なぜ助産師・助産院を広めたいと思ったの?」と尋ねられ、改めて考える機会がありました。私は助産師や助産院と出会って、とても幸せだったから、私の周りの人にも“幸せになってほしい”と心から願っていることに気付いたのです。

 助産師の仕事は楽ではありません。でも、こんなにやりがいがある幸せな仕事は他にはないと思っています。8年迷ってたどり着いた私が言うのですから、間違いありません。もし、助産師としてのキャリアに迷っている人がいたら、ぜひ一歩を踏み出してみてほしいです。



本記事は『ペリネイタルケア』2025年2月号の連載Rootsからの再掲載です。