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トップページ 新生児・小児/助産/ウィメンズヘルス Cure&Care&Nursing キーワードは“女性とこどもの健康と笑顔”|勘澤晴美|Roots|#012

長崎大学生命医科学域 リプロダクティブヘルス分野 助教

勘澤晴美


 看護師になり小児科、特にNICUの魅力にはまり、小さな赤ちゃんと母親、その家族のケアにやりがいを感じていました。同時に、看護師になった当初よりアメリカの看護師、特にNP(Nurse Practitioner)に憧れ、20代後半に渡米したこともありましたが、当時はアメリカのライセンス取得は叶わず、帰国しました。その後、日本でもNP制度が導入されることになったと知り、迷わず指定大学院を受験し、NP資格を取得しました。

 卒後、2年間の初期研修が始まりました。当時は新生児科NPになることを目標にしていましたが、その研修で産婦人科を回ったことが大きな転機となったのです。産婦人科研修の中で妊娠、出産、Women’s Health、悪性疾患などについて幅広く学ぶうちに、産婦人科学の魅力にはまり、研修後は産婦人科NPとして働きました。2年ほど働いた後、このままNPとしてキャリアを積んでいくか、助産もできるように再度進学するか悩んでいたときに、上司に後押しされ、再び大学院に進学し、助産師の資格も取得することに決めました。

 助産師になった後は業務範囲が広がり、患者をみる視野と視角、知識も広がったことで、見える景色が大きく変化し、産婦人科で働くことがさらに好きになり、楽しくなりました。私がキーワードにしている“女性とこどもの健康と笑顔”のために貢献できることが増えたと感じられたのです。また、女性の健康や健やかな妊娠をサポートすることは、赤ちゃんのアウトカムにもプラスの効果をもたらし、結果的にNICUにも貢献できると考えています。

 NPと助産師になった後、地域の一次診療を行う病院で、患者と顔の見える環境のもと働きたいと考えていたところ、ご縁があり、長崎県の離島にある対馬病院で診療する機会をいただきました。外来での一般診療や妊婦健診だけでなく、長期にわたる女性の健康の維持増進(予防医療、プレコンセプション含む)や、ライフスタイルに合ったケア介入が求められており、そこに自分自身の大きな役割があると実感しています。

 現在は、研究者としてのスキルを上げるため博士課程に在学中です。今後は、女性診療ができるNPの後輩育成にも従事する予定です。



本記事は『ペリネイタルケア』2025年1月号の連載Rootsからの再掲載です。