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トップページ こころJOB こころJOB Books|心のケアにたずさわる人が知っておきたい精神疾患とストレス関連疾患

治療につながる伝え方のポイントがわかる

精神疾患やストレス関連疾患は早期発見・治療が重要だが、当事者や周囲のスティグマもあり、適切なタイミングで医療につながることが難しいケースがある。臨床現場、学校、心理カウンセリングルーム、学生相談室、企業内保健室など、悩みを聴く立場にあるメディカルスタッフが本書を通じて疾患を正しく知り、ポジティブイメージをもってアプローチすることで、適切な対応ができる。


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本書の特徴
★疾患にどう気づくか&どう医療につなげるか、予防の観点から解説!
★主要な精神疾患とストレス関連疾患がこの1冊に!
★児童思春期の心の病気についても収載!

書誌データ
・価格:3,080円(本体2,800円+税)
・発行:2024年10月
・サイズ:B5判 216頁
・ISBN-13:978-4-8404-8524-1

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序文より

「正しい知識を得ること」は偏見を軽減し、早期治療につながる

本書は、心のケアにたずさわる人に知ってほしい「精神疾患」と「ストレス関連疾患」に関するガイドブックです。厚生労働省は、2011年に地域医療の基本方針となる医療計画に盛り込むべき疾病として、がん・脳卒中・急性心筋梗塞・糖尿病に精神疾患を加えて5大疾病としました。こうした後ろ盾により精神疾患への国家的対策が施されつつありますが、うつ病などの精神疾患を持つ患者さんの数はいまだ増加傾向にあります。

もっぱら「心の病気=精神疾患」と思われる読者の方が多いかもしれませんが、実は、心に関連する病気は「精神疾患」だけではありません。ストレス社会と呼ばれる現代社会において、さまざまなストレスがうつや不安といった心の不調だけでなく、頭痛や腹痛など身体の不調をきたすことがまれではなく、こうした病気は心療内科領域では「心身症」と呼ばれています。最近では、いわゆる「心身症」に限らず、ありとあらゆる身体疾患に心理社会的ストレスの影響が指摘されています。本書では、こうした疾患をまとめて「ストレス関連疾患」と呼ぶことにしました。

本書の執筆者は、精神疾患やストレス関連疾患を持つ患者さんの診療・支援に日々従事している医師(精神科医や心療内科医)や公認心理師です。医師だけでなく心理職・看護師・保健師・精神保健福祉士など広く心のケアにたずさわるメディカルスタッフの方々が、こうした疾患について理解を深めることで、医療場面だけでなく医療以外の場面で患者さんに遭遇したときにも早期支援できるようにとの願いを込めました。

なお、心のケアにたずさわるのは、上記のような専門資格を持つ医師やメディカルスタッフばかりではありません。私たちは学校・職場・家庭といった日常生活のなかで、日々、心のケアを必要としている人々に遭遇します。

そして、私たち自身も時に心のケアを必要とします。しかしながら、心の病気に関する正しい知識がなかったり、不十分な場合、心のケアが必要な人に対して「見て見ぬふり」をしてしまいがちです。「見て見ぬふり」の態度をとってしまう最大の要因は、いまだ日本社会に根強く残っている心の病気に対する偏見(スティグマ)です。偏見が強いと、家族や周りの人が心の不調を抱えていても声をかけることができませんし、自分自身が「もしかして今の自分って心の病気?」と思ったとしても、我慢してどこにも相談に行けない状況が長期化しやすいのです。そして、こうした「見て見ぬふり」の状況こそが社会的ひきこもり、不登校、さらには自殺のリスクを高めかねません。他方、精神疾患やストレス関連疾患に関しては、早期に治療を開始することでより早く回復することができます。

偏見はなぜ生じるか、ご存じでしょうか? 精神疾患に限りませんが、ある事象に対して「知識がないこと」「誤解していること」がその大きな要因です。言い換えれば、「正しい知識を得ること」は偏見を軽減することに大きく貢献します。本書は、それぞれの疾患に関する基礎的な知識に加えて、特に初期に生じやすい症状とその対処法(声かけの方法)を具体的に解説しています。読者の皆さんが正しい知識と声かけの基本を身につけることで、心のケアが必要な人を早期に発見し、具体的な支援ができるようになるはずです。

本書は、こころJOB Booksシリーズ『心のケアにたずさわる人が知っておきたい精神系のくすり』の第2弾として位置づけています。ありがたいことに、第1弾『精神系のくすり』はメディカルスタッフばかりでなく当事者や家族の方からも好評を得て、「精神科の薬が身近に感じられるようになった」「安心して薬を飲むことができる」といった声が数多く寄せられています。

第2弾である本書が、心のケアにたずさわる専門職の方々のみならず、心のケアを必要としている当事者や当事者を支える家族・友人といった方々の心の病気への理解を深め、心のケアの実践の向上に貢献できればと願っています。

2024年8月
九州大学大学院 医学研究院 精神病態医学 准教授 加藤隆弘

編集担当より

精神疾患やストレス関連疾患は早期発見・早期治療がとても重要ですが、受診に対する心理的ハードルも高く、適切なタイミングでなかなか医療につながることができていない現状があると思います。臨床現場、学校、心理カウンセリングルーム、学生相談室、事業内保健室など、悩みを聴く 立場にあるメディカルスタッフが本書を通じて、疾患を正しく知り、ポジティブイメージをもって患者やクライエントにアプローチすることで、適切なタイミングで医療につなげていけるよう、本書を企画しました。

「支援者が病気の徴候に気づくためのアセスメントのポイント」「具体的にはどう伝える?」など、より現場で活用できる内容を盛り込みました。日々の支援にどうぞお役立てください!

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