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トップページ 新生児・小児/助産/ウィメンズヘルス Cure&Care&Nursing 【増刊】新生児の呼吸管理 超ビジュアルガイドーモニタの見方&アラーム対応 ダウンロードシート付き|with NEO 2024年秋季増刊|長 和俊|with NEOクローズアップ|#018

 新生児の最大の特徴は、子宮内での胎盤呼吸から子宮外での肺呼吸へ適応することです。この適応がうまくできないと呼吸障害が発生します。早産児はこの傾向がより強く、呼吸窮迫症候群や新生児無呼吸発作などの呼吸障害を合併します。そのためNICUには、早産児を中心に、呼吸管理を必要とする赤ちゃんがたくさん入院しています。気管挿管による人工換気は赤ちゃんの肺にダメージを与えるので早期抜管を目指しますが、早期抜管を行うと無呼吸発作のコントロールに苦労します。酸素投与も肺にダメージを与え、多過ぎる酸素投与は未熟児網膜症を悪化させますが、少な過ぎる酸素投与は壊死性腸炎を増加し、脳の発達に悪影響を及ぼす可能性があります。このように、NICUでの呼吸管理はとてもデリケートなものです。また、人工呼吸器などの機器は急速に進化し、NAVAやオートFIO2などの新しい呼吸管理法も導入されています。たくさんの赤ちゃんが呼吸管理を必要としている中、呼吸管理には精密さが求められ、さらに日々進化するとなると、NICUの医療従事者には、新生児呼吸管理がとても重いプレッシャーに感じられます。しかし、新生児呼吸管理は基本さえマスターすれば決して難しいものではありません。 

 この「新生児の呼吸管理 超ビジュアルガイド」は、2016年に発刊した「新生児の呼吸管理ビジュアルガイド」をバージョンアップさせたもので、モデルとなる新生児用人工呼吸器も「Neocare 9000」から「WN-9000」へ進化しています。最初から順に読むのもよいですが、「さくっと理解できるビジュアルガイド」ページを参考にしながら、興味のあるところ、苦手なところから読み始めていただくのもよいと思います。また、「ぱっと見てわかる」のコラムに図を多用した説明がありますので、まずはエッセンスを理解してから文章で確認するのもよいでしょう。ご執筆はNICUの第一線でご活躍中の皆さまにお願いしており、分かりやすい表現ながらも非常に質の高い内容となっております。所々に出現する「超ヲタ・コラム」には執筆者の思いや、最新ながらもエビデンスが少ないため推奨には至らない「ここだけの話。知らんけど」が記載されています。ご自身または施設の判断の元でご利用ください。

 この1冊を通して、皆さまが新生児呼吸管理を「学び甲斐のあるもの」と感じていただければ、大変有難いです。


編著

JCHO北海道病院副院長
長 和俊



本記事は『with NEO』2024年秋季増刊号 序文からの再掲載です。

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