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トップページ 新生児・小児/助産/ウィメンズヘルス Cure&Care&Nursing 【特集】母体急変対応 スタートアップドリル-周産期心筋症、羊水塞栓症、常位胎盤早期剝離…1項目30分ですぐ身につく&動ける!|ペリネイタルケア2024年8号|松岡 隆|PerinatalCareクローズアップ|#024

 お母さんは命がけでお産に臨んでいます。現代においても。次世代を残すという行為は今も変わらずそういうものだと思います。分娩という一大イベントに対しては医療資源をしっかり投入すべきであることに間違いはないですが、欧米各国における分娩数が万単位のバースセンターとは異なり、わが国では出産の約半数が一次医療施設で行われているため、チーム医療、病診連携の改善が非常に重要となります。
 わが国の人口動態統計によると、1年間に発生する妊産婦死亡数は、2000年には約80人でしたが、周産期医療に携わる医療者の不断の努力により、2021年には21人まで減少させることができ、今や、わが国は世界で一番安全にお産ができる国になったわけです。しかしながら、京都プロトコールから始まった母体急変の初期対応のシミュレーション事業、いわゆるJ-CIMELS(日本母体救命システム普及協議会)の普及にもかかわらず、「母体安全への提言2022」では、妊産婦死亡の原因別事例数の年次推移で産科危機的出血の割合が2019年から微増していることを危惧しています。このことは、母体救命のシミュレーション教育は普及から質の維持を行うステージに入ったことを意味していると私は思います。
 今回、今一度母体急変の初期対応をテーマに挙げ特集を組むことにしました。総論では母体急変時の対応の基本や注意してほしい項目を、続く各論では注意すべき疾患の仮想事例の設問ドリルにより、誌面上にシミュレーションを展開することにしました。この特集がいわゆる読 み物ではなく、実践に近いシミュレーションになっていれば、あなたの行動変容につながると信じています。

*本特集のシーンイラストでは、妊産婦や医療者の表情をわかりやすくするため、手術室など一部を除き、マスクを外した表現としています。また、医療機器は一部省略した表現としており、実際の現場と異なります。


プランナー

昭和大学医学部 産婦人科学講座 准教授
松岡 隆



本記事は『ペリネイタルケア』2024年8月号特集扉からの再掲載です。

連載【Catch the Now】
領域の最新トピックスをお届けします!

「薬を飲んだら授乳できない」は変わるか?
~適切な情報提供のために知っておかなくてはならないこと~

 日本では、「薬剤服用中は授乳できない」と思っている人は少なくない。その理由の一つは、多くの薬剤の添付文書に、一律に「薬剤服用中は授乳を中止させるように」という記載があったためである。しかし、この情報は事実と大きく乖離している。多くの薬は母乳に移行はするが、一般的には非常に少量で、児に影響する可能性はとても低く、禁忌薬や要注意薬の割合は少ない。薬を飲んでいるから授乳をやめなくてはいけないというわけではないし、逆に授乳するという理由で必要な薬を服用しないことも適切ではないというのが基本である。

東京北医療センター小児科、国際認定ラクテーション・コンサルタント
奥 起久子

続きは『ペリネイタルケア』2024年8月号をご覧ください!


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