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トップページ 新生児・小児/助産/ウィメンズヘルス Cure&Care&Nursing 大変な仕事でもやりがいを見つけて!|金子政時|Roots|#007

宮崎大学大学院 看護学研究科 教授

金子政時


 医学部5年生のポリクリで、最初に実習したのが産婦人科でした。1カ月間で、6件程度の分娩を見学しました。印象深かった診療科であることと、入局者が少ないことが産婦人科に決めた理由です。入局者が少ないことを条件にしたのは、能力のない私でも色々なチャンスが巡ってくるのではという甘い考えからでした。入局後に、入局者が少ないのには、そうなる理由があることに気付き、将来を見通せず、不安を感じながら2~3年を過ごしました。

 私に転機が訪れたのは、池ノ上 克先生が教授として赴任されてからです。その後、増本 義先生の下での新生児医療の研修や、カナダ・ウエスタンオンタリオ大学のBryan Richardson 教授の下で、羊のchronic model を利用した脳障害の研究を行う留学のチャンスを頂きました。

 臨床では、周産母子センターの設立に関われたことは貴重な経験でした。医療機器や看護体制がない中でのスタートでした。24時間体制で、少ない仲間と産科・新生児医療を行い、実績を積み、それが認められセンターの設置が決まりました。今では考えられない勤務体制でも頑張っていけたのは、強いリーダーの下、宮崎県の周産期医療を日本一にするという大きな目標と、それを達成するための具体的な目標(周産期死亡率低下)があったためだと思います。

 忙しい臨床の中でも、臨床研究を続けることができており、先天性サイトメガロウイルス感染症は私のライフワークになっています。身近にある臨床的な課題を、研究テーマにすることも臨床に携わるモチベーションになると思います。

 10月18日、19日に、「第65回日本母性衛生学会総会・学術集会」を宮崎シーガイアコンベンションセンターにて開催します。テーマは「共創―持続可能な母子の健康を目指して―」です。持続可能な母子の健康を目指して、助産師、看護師、保健師、医師などが集い、学術的な意見交換により母子保健に関わる知識と技術の向上を図ります。神話の国、宮崎にお越しいただけることを楽しみにしています。



本記事は『ペリネイタルケア』2024年8月号の連載Rootsからの再掲載です。

連載【Catch the Now】
領域の最新トピックスをお届けします!

「薬を飲んだら授乳できない」は変わるか?
~適切な情報提供のために知っておかなくてはならないこと~

 日本では、「薬剤服用中は授乳できない」と思っている人は少なくない。その理由の一つは、多くの薬剤の添付文書に、一律に「薬剤服用中は授乳を中止させるように」という記載があったためである。しかし、この情報は事実と大きく乖離している。多くの薬は母乳に移行はするが、一般的には非常に少量で、児に影響する可能性はとても低く、禁忌薬や要注意薬の割合は少ない。薬を飲んでいるから授乳をやめなくてはいけないというわけではないし、逆に授乳するという理由で必要な薬を服用しないことも適切ではないというのが基本である。

東京北医療センター小児科、国際認定ラクテーション・コンサルタント
奥 起久子

続きは『ペリネイタルケア』2024年8月号をご覧ください!


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