読者の皆さまもご存知のとおり、周産期医療において、感染症は大きな関心事の一つであり続けています。
新興感染症や多剤耐性菌に対する社会的脅威が増大すると、妊婦と赤ちゃんの健康や生活が脅かされます。医療施設内で感染症アウトブレイクなどがあれば、地域の周産期医療体制が保てなくなる可能性があります。周産期に問題となる微生物には、流行周期や日々の変化・進化もあります。そのため、周産期医療従事者は感染対策の最新情報に対して常にアンテナを張り、知識をアップデートしなければなりません。
NICUでの感染症対策は、医師・看護師・助産師・薬剤師を中心としたチームでの協働が必要です。本特集では、母子感染のトピックスをはじめ、NICUで問題となる多剤耐性菌対策、コロナ禍を経験した上での感染対策、質問されることが多い事象のQ&A、実際の感染対策動画、家族への説明資料など、現場で活躍中の医師・看護師から読者の皆さまへ最新情報をお届けしています。
本特集が、周産期医療施設での感染対策の一助となることを期待しています。
プランナー
京都第一赤十字病院 新生児科副部長
木下大介
本記事は『with NEO』2023年2号特集扉からの再掲載です。