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トップページ 新生児・小児/助産/ウィメンズヘルス Cure&Care&Nursing 助産師必見!『THE 分娩』刊行記念Special座談会|動画|石川紀子(総合母子保健センター愛育病院) 中川有加(静岡県立大学) 村越 毅(聖隷浜松病院)

〇 Contents

  • 第1部 助産師のための生涯使える分娩の教科書が誕生!
  • 第2部 現場の分娩の助産師教育

〇 第1部の内容をすこし紹介……

司会:それでは『THE 分娩』刊行記念Special座談会を始めたいと思います。まず先生方の自己紹介をお願いいたします。

石川:みなさんこんにちは。総合母子保健センター愛育病院・助産師の石川紀子と申します。

中川:みなさんこんにちは。静岡県立大学看護学部・助産師の中川有加です。

村越:みなさんこんにちは。聖隷浜松病院総合周産期母子医療センター・産科医の村越毅です。

石川:今日は『THE 分娩』を一緒に作った3人で、この座談会を始めていきたいと思います。まずは2つのテーマで話していきたいと思っています。1つ目は「なぜ今『THE 分娩』という本を作ったのか」ということで、目的や思いも込めてお話ししていきます。2つ目は現場の分娩のこと、教育の現場の中川先生からのお話も含めて「これからの助産師の体制」についてお話ししていきたいと思います。

では早速ですが、この『THE 分娩』をお買い求めいただいた方もいらっしゃるかと思いますが、いかがでしょうか? 本の冒頭の「編集にあたって」に「なぜ今この本を?」ということについて書かれているのですが、まず中川先生、コメントがありましたらお話しいただけますか?

中川:私も臨床を31年間経験していて、その時から臨床と教育との乖離をとても感じていました。その乖離を埋めることができたらということで教育の現場に入ってきました。しかし、まず教育の現場でぶち当たったのが、教科書に書かれていることがあまりにも“ちょっと現場ではやっていない内容”なんだけども、「教科書ではこうだよ」っていう風に教えないといけないということでした。どうしても国家試験は教科書から出るので、教科書から外れたことを教えると、ちょっと内容が違ってくるということもありまして……。臨床と教育がマッチした本を作れないかなということは常々考えていました。たくさん教科書を見たのですが、もう本当に身体は身体、精神的な話は精神的なもの、教育は教育という感じでした。例えば同じ分娩第1期でもそれぞれを分けて書かれていたりすることもあるので、学生にとっては混乱するのではないかなと感じていました。

そこで、この『THE 分娩』では、目次を見ていただいたらわかるように、1つの項目で全てがわかるように工夫した作りにしています。内容をどんどん入れればきりがないので、石川先生と「ここまでは入れよう」「これだったら参考になるよね」と考えて作成したという経緯があります。医学的な監修は村越先生に全てお任せして進めていきました。

石川:私も中川先生も臨床が長いので、どうしても考え方が臨床寄りだと思います。そういった状況で私も、短いですが教育の現場に3年間入り、確かに「もっと使いやすい教科書・テキストがあったらいいな」と感じました。そこで中川先生と意見が一致して、「それにはどんなコンテンツが良いだろう」「どのように学びを進めていけば学生に分かりやすいだろう」と考えていきました。例えば私たちの考えとしては、正常と異常は切り離せず連続性の中にあるとか、診断とケアは分けるものじゃなくて一緒に考えるとか、そういったところからコンテンツを考えていきました。

今、医学的側面に関しても「助産師だったらここまででいい」ということではなく、医師と同じレベルとはいいませんが、それぐらいまでしっかりと勉強してもらいたいし、現場ではそういった知識が本当に必要です。そういう思いも込めて、その道の専門性が高い先生に書いていただいたという経緯があります。その点、村越先生いかがでしょうか?

村越:教科書って難しいですよね、実は。僕も大学院やその専攻科とか、いくつか助産学の講義に行くのですが、いい教科書がないんですよ。正直言うと、実は僕、教科書なしで講義しちゃったりしているんですよね。でも来年からは『THE 分娩』が使えるかなって思っています(宣伝もありますけど)。それくらいこれ、良いんですよね。最初に話を聞いたときは、『THE 分娩』って、分娩だけで本当に教科書が作れるのかな? と思ったんですが、後からどんどん原稿が送られてきて。最初は「えー! これ全部見るのか!?」と思ったんですけど、読んでみると結構しっかり書かれていて。医学的監修とはいっても、送られてきた原稿に大きく間違っているところもないので、トータルで見せていただいて僕も非常に勉強になりました。

石川先生や中川先生が言われたように、正常と異常って全然別のものじゃなくて、同じものから急に発生したりします。助産師って実はもともと、看護の次のステップの、今でいう特定看護師のはしりみたいなもので、いわゆる通常の分娩は全部自分でなりわいとしてやっていいわけですよね。そうするといつ異常になるかわかりません。また、医師と助産師の境目も本当はなくて、だからこそ「助産師だからここまででいい」とか「これ以上は医師の仕事だから」とかじゃないと思うんですよ。そういった意味でこの『THE 分娩』は当院の研修医や専攻医に見せたら「非常にまとまっていて、良い」という反応でした。結構評判は良いので、助産師向けだけではないのかなという感じはしていますね。現場でも非常に使いやすいです。

石川:そうですか。確かに、臨床に1冊置いて、ちょっとパッとひもといて……ということができればいいかなと思います。


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