★Close Collaboration with ParentsトレーニングのフェーズⅣ
動画では、どうすれば 医師回診への家族の参加が有意義なものになるか、両親の「意思決定」への参加をキーワードに紹介しています。
★本文記事をすこし紹介
はじめに
Moi(モイ)!フィンランドの糸島です。 前回は、Close Collaboration with ParentsトレーニングのフェーズⅡ「両親と一緒に赤ちゃんを観察するトレーニング」について紹介しました。医療者が日々のケアの中で、両親の赤ちゃんの観察や理解を促し、一緒にケア計画を立てることは、赤ちゃんに対する愛着や育児への自信につながり、退院後長期にわたって家族に良い影響を与えます。しかし、赤ちゃんのケアや治療について家族と話し合う場面は、日々のケアだけではありません。家族との話し合い(インフォームドコンセント)や医師回診も、家族とコミュニケーションをとる大切な時間です。フェーズⅣでは、どうすれば医師回診への家族の参加が有意義なものになるかを考えます。キーワードは「意思決定」への参加です。
医師回診と意思決定への両親の参加
(中略)
日本ではNICUでの医師回診に家族が参加することは、まだ一般的ではありませんが、海外では地域によって一般的になりつつあります1、2)。しかし、家族が単に回診に「同席」するだけでよいのでしょうか? それでは医療者の提供する情報や決定事項を知るだけの場になってしまいます。場合によっては、家族が不安や嫌悪感を抱く場になってしまうかもしれません。実は、家族の回診参加が推進されてきた背景に、「両親が子どもの治療やケアの計画・決定において重要な役割を果たすべき」という推奨があります3、4)。回診などで赤ちゃんの今後の治療方針などの決定にかかわりたいというのは、多くの家族が希望していることでもあります5〜7)。つまり、家族の回診参加で大切なことは、家族が「意思決定」に参加すること、またそれを医療者が適切に支援することです。
続きは『with NEO』2024年3号をご覧ください!
〜本誌では以下の内容が読めます〜
・医師回診と意思決定への両親の参加(本記事の続き)
・医師回診とその意思決定に家族の参加を促すコミュニケーション
・実際のトレーニング内容
・回診の振り返りの意義
・今回のまとめ
2)Caldwell, C. et al. Parental views on attending neonatal intensive care ward rounds. BMJ Paediatr Open. 3(1), 2019, e000449.
3)Babies, children and young people’s experience of healthcare. NICE guideline. 204, 2021. https://www.nice.org.uk/guidance/ng204[2024.2.21]
4)Lin, M. et al. The Case for Advance Care Planning in the NICU. Pediatrics. 150(6), 2022, e2022057824.
5)Soltys, F. et al. The importance of shared decisionmaking in the neonatal intensive care unit. J Perinatol. 40(3), 2020, 504-9.
6)Caeymaex, L. et al. Living with a crucial decision:A qualitative study of parental narratives three years after the loss of their newborn in the NICU. PLoS One. 6(12), 2011, e28633.
7)Abdel-Latif, ME. et al. Parental presence on neonatal intensive care unit clinical bedside rounds:randomised trial and focus group discussion. Arch Dis Child Fetal Neonatal Ed. 100(3), 2015, F203-9.