保健師助産師看護師法の第三条に〔「助産師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、助産又は妊婦、じよく婦若しくは新生児の保健指導を行うことを業とする〕と規定されているように、保健指導は助産師の業務の大部分を占め、得意分野であるといえます。しかし、その保健指導が「伝えた」と自己満足になっていませんか?「伝える」と「伝わる」は、似ているけれど違います。
先日、乳幼児1カ月健診時に小児科医が「助産師さんは保健指導で〇〇というかもしれないけど、△△でもいいからね!」と言っているのを聞きました。助産師も「〇〇でも、△△でもいいからね。その根拠は~」と伝えているはずです。でも、お母さんには伝わっていないかもしれないと思いました。
妊産じょく婦さんが「ひとごと」ではなく「わがこと」として胸に落ち、さらに自分に選択の余地があって、行動変容につながることが大切です。そのような保健指導ができていると自信を持って言える助産師は少ないかもしれません。他の助産師はどのように伝えているのか知りたいものですね。
今回の特集では、妊婦・家族を安心させるための、エビデンスに基づく保健指導の知識を紹介します。集団・個別指導において押さえるべき重要な指導項目の解説に加え、妊婦・家族からのよくある質問に対する「good Answer」例を紹介します。また、先輩助産師や他職種へコンサルトすべき例についても解説します。
これらの「good Answer」例を参考に、助産師の得意分野である保健指導にさらに磨きをかけましょう。
プランナー
尼崎だいもつ病院 看護部 外来科長
村田佐登美
本記事は『ペリネイタルケア』2024年5月号特集扉からの再掲載です。