本誌2022年の8月号で「開業助産師に聞く 分娩進行アセスメント」を特集しました。今回はその第2弾の特集と言ってもよいでしょう。お産を安全に、より安楽に進めるために、開業助産師の方々は、どのような助産ケアで妊産婦に向き合っているのでしょうか。多くの経験の中で培われてきた助産技術、分娩のアセスメントは、意外にも教科書には載っていないものです。
本特集は、開業助産師の方々の実践を具体的に紹介していただきながら、分娩のアセスメントを学ぶ内容となっています。妊娠期からの分娩準備に始まり、重要な観察項目である陣痛や全身状態、産婦の訴えをどのように助産ケアに反映していくと良いのか、丁寧に解説しています。中でも内診技術は、分娩進行をアセスメントするために、多くの情報を得る必須技術です。内診技術は、経験を積み重ねて修得していく技術ですので、自信がつくには時間がかかるかもしれません。本特集では、分娩経過のアセスメントにおいて、内診から得られた情報をどう活用しているか、介入のタイミングをどう判断しているかについても解説していただきました。また、各項目には「コラム」がついております。このコラムには、開業助産師の方々の経験談やエピソードが書かれており、実践の豊かさと助産師としての矜持を感じずにはいられません。必読の内容です。
開業助産師の助産実践にはどんな技があるのか知りたいと思った時、とかく「ハウツー」を求めてしまいますが、技に注目するだけでなく、妊産婦一人ひとりとの向き合い方にも学ぶべきことがたくさんあります。妊産婦に丁寧に関わりよく知ることで、やるべき助産ケアが見えてくるようです。
助産ケアは、一般化しにくい、マニュアルでは対応できないことも、実践現場ではよく経験します。本特集を通して、そんな画一化しにくい技のヒントを、開業助産師の豊富な経験の中から見つけられれば幸いです。
プランナー
総合母子保健センター愛育病院 看護部長
石川紀子
本記事は『ペリネイタルケア』2024年2月号特集扉からの再掲載です。