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トップページ 新生児・小児/助産/ウィメンズヘルス Cure&Care&Nursing 【増刊】最新 お母さんと赤ちゃんの生理とフィジカルアセスメントー図解でよくわかる|ペリネイタルケア2024年冬季増刊|中田雅彦&増本健一|PerinatalCareクローズアップ|#015

 2017年に発刊し大好評を得た「図解でよくわかる お母さんと赤ちゃんの生理とフィジカルアセスメント」が6年の時を経て、遂に“最新”として生まれ変わりました。フィジカルアセスメントって何? という方もいるでしょう。いわゆる理学所見です。血液検査や画像検査に頼りがちな臨床現場ですが、身体の評価をすることが医療の基本です。本書籍は基本の“き”であるフィジカルアセスメントを特集した一冊です。
 本書では、妊娠経過に伴って変化する母体・胎児、そして出生後に胎外環境に適応する新生児の生理学的変化を一冊の書物として網羅しています。母体や新生児の理学所見の評価には生理学的な知識に基づいたアセスメントが重要ですので、知識を復習する意味でも熟読をお願いします。
 本書の特徴は豊富なイラストや写真を用いて視覚情報からわかりやすくしている点です。妊娠期・分娩期・産褥期・新生児期の観察項目、注意すべき症状・合併症のアセスメントの仕方と緊急時の対応や判断について網羅しています。
 また、6年ぶりの改訂とともに、最新の情報を取り入れた各項目とは別に、コラムやトピックスなどのコーナーでは、まさに今皆さんが必要としている情報(産後健診、梅毒、経会陰超音波検査など)を積極的に取り上げています。
 フィジカルアセスメントという基本に立ち返り、患者さんたちの身体からの情報をいかに評価し異常に対処するか、この一冊があれば安心できるのではないでしょうか。ぜひとも外来や病棟で座右の書として活用してください。

中田雅彦

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 母体・胎児に始まり新生児に至るまで、周産期経過に伴う生理学的変化とフィジカルアセスメントを縦断的かつ体系的に分かりやすく解説した書籍は少なく、2017年1月に刊行された「図解でよくわかるお母さんと赤ちゃんの生理とフィジカルアセスメント」はたいへん好評でした。今回6年の年月を経て、装いも新たに一新いたしました。
 わが国の分娩の約半数は診療所で行われていますが、小児科医が常駐している診療所は少ないのが現状です。従いまして、小児科医だけでなく産婦人科医や助産師・看護師にとっても、新生児の生理学的変化を理解したうえでのフィジカルアセスメントは重要です。
 第4章の「新生児」では、難しくなりがちな出生後の新生児の生理学的変化や病態について、やさしい図解でわかりやすく解説しています。急性期の新生児仮死や呼吸器・循環器・消化器疾患だけでなく、日常診療で遭遇する機会が多い黄疸や皮膚症状、体重減少なども取り上げました。重要な観察項目、注意すべき症状や合併症、緊急対応や正常・異常の判断などを豊富なイラストと写真を用いて解説しており、この1冊で生理学的な根拠に基づいた新生児のアセスメントの仕方を身に付けることができます。
 また、初版から6年が経過しており、各項目に最新トピックスやエビデンスを取り入れております。さらに、コラムでは最近増加している梅毒に加え、読者のニーズが高い母乳育児や産後健診などを取り上げました。本書は周産期診療に関わる医療者にとって、すぐに役立つ実践書としてだけでなく、読み物としても面白く充実した内容が含まれております。ぜひ1冊お手元に置いていただき、時間があるときに読み進めていただけると幸いです。

増本健一

編集

東邦大学医学部産科婦人科学講座 教授
中田雅彦

東邦大学医学部新生児学講座 准教授
増本健一 



本記事は『ペリネイタルケア』2024年冬季増刊号 序文からの再掲載です。

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