妊娠中に胎児とともにはぐくんだバースプラン、そして、いざ出産。お産を振り返りながら、助産師と褥婦が紡ぐバースレビュー。今回は、バースプランとバースレビュ―に焦点を当てて、全国の多様な施設から実践例を紹介していただいています。
一人ひとりのバースレビューには、いろいろな場面があり、その時々の願いや想いに交差するそれぞれ唯一のストーリーが展開されるのだと思います。出産から育児に向かう産婦さんの想いが十分に満たされ、生まれたわが子へ気持ちが向かうために重要なプロセスだと考えます。また、出産を機に、女性は生まれ変わる機会を得られると聞いています。ビッグイベントを経た女性へのケアとして活用していただけることを願っています。
江藤宏美
分娩時間が短いと、「安産で良かったですね」と笑顔で話しかけられる。果たして、お母さん本人はどう思っているのだろうか? 分娩はさまざまであり、安産とか難産とか簡単に区分けできるはずがない。人には、人それぞれのお産があるはずだ。
決して生きやすいとは言えない今、かけがえのない出産という体験を、本人のみならず、ご家族がどのように受け止め昇華していけるかは、その後の人生に影響しないはずがないと私は思います。今回は全国のバースプラン&バースレビューの実践を数多く紹介しています。妊娠・分娩・産褥だけでなく、その後の人生をサポートできるヒントになると信じた企画です。お母さんのこころの声を聴き、お母さんの支援に生かしていただければ幸いです。
松岡 隆
プランナー
長崎大学生命医科学域 教授
江藤宏美
昭和大学医学部 産婦人科学講座 准教授
松岡 隆
本記事は『ペリネイタルケア』2023年12月号特集扉からの再掲載です。
Webページからダウンロードできるバースプラン見本付き!
アレンジして活用できます★