十月十日を経てお母さんは赤ちゃんにやっと会えます。分娩は妊娠中の最大イベントであり、お母さんもお父さんも、家族の皆もこの日を目標に頑張っています。助産師さんも産科医師も、出産によりホッと一息つくのではないでしょうか? しかしながら、出産はゴールでなくスタートで、産褥期はこれから始まる育児に対してしっかり準備する時期でもあります。
今回、分娩直後から1 カ月健診までの産褥期の変化、生理的現象とその逸脱のアセスメント&ケアについて特集しました。出産を終え元の体に戻るまで、分娩直後、入院中、1 カ月健診までを経時的変化で見ていきましょう。分娩直後は分娩第4期ともいいますよね。出血のアセスメントが大事です。無事に分娩室から産科病棟に戻り退院するまでの数日間、お母さんの体は刻々と変化していきます。生理的変化を知ることで逸脱をみつけられるようにしましょう。子宮、むくみ、利尿などが日々変わります。乳腺は助産師さんの最も得意なところですね。また、産後ケアで本人が実は一番困っている会陰について知りましょう。どういうところに気を付けるべきかなど、具体的なことを知りましょう。
また、ここから先は専門家へつなぐポイントを知ることも重要です。さらに、無事退院するまでの数日間であっても見逃したくない疾患がいくつかあります。産褥心筋症、妊娠高血圧腎症、肺塞栓、産褥精神病について解説していただきます。
以上、この特集で産褥の体の変化を完全マスターしましょう!
プランナー
昭和大学医学部 産婦人科学講座 准教授
松岡 隆
本記事は『ペリネイタルケア』2023年11月号特集扉からの再掲載です。