医療法人財団松圓会 東葛クリニック病院
臨床心理士/産業カウンセラー/准看護師
山﨑 美佐子
慢性腎不全をはじめとする腎臓病とその周辺領域、透析治療を専門とする医療機関で、臨床心理士として勤務しています。
とくに透析医療については、本院と7つの関連透析施設を擁していることから、活動の場が広く、心療内科外来でのカウンセリングをはじめ、神経内科では、神経心理学的検査によるアセスメントを行うなど、各科の医師と連携しながら通院・入院する患者さんの心理的サポートを担当しています。
また、チーム医療の一員として患者さんやその家族と医療スタッフとのつなぎ役を担ったり、共に働くスタッフのストレスチェックやメンタルケアの相談など、各施設を横断的に活動しています。
もっと患者さんを深く理解し、身体的側面⇔心理的側面⇔社会的側面から対応できる力をつけたいと思っていたころ、たまたま乗車した電車の中で「臨床心理学科 新規開設!」と書かれた、大学の新入生募集のポスターを見て、「これだ!」と心を惹かれ、大学の臨床心理学科に進学しました。
当初は、看護の仕事に活かせたらと学び始めた心理学でしたが、勉強をしていくうちにその奥深さに夢中になり、心理職として働く事ができたらと考えるようになりました。その後、大学院に進学し、臨床心理士の資格を取得しました。
そのうえで、相手に今どのような問題や不調が起こっているのか、それを理解するためには、何をどのように聴き、そこから何を読み取るのか。どのような姿勢や態度を向け、何に配慮し注意を払う必要があるのか。そして、どういった援助が有効になるのかなど、多くの知識と技術が求められます。
本当にこの対応でよかったのかと自分の未熟さに悩むこともありますが、患者さん自身が “心理士との関わりのなかで得た、新たな気づきや考え” によって回復し、それぞれの歩みを進めていく姿を見ることは喜びでもあります。
起こった身体的問題に心理的、社会的問題が深く影響していたり、起こった身体的問題によって新たに心理的、社会的問題を招いてしまうこともあります。また、身体問題の治療をしたくても心理的、社会的問題によってうまく進まないこともあります。
身体疾患を中心に扱う診療科で働く臨床心理士はまだ少なく、「一人ひとりを全人的に心と身体の両面から治療を行う」という過程に、十分に参画できていない現状があります。患者さんにもスタッフにも、多くの人に臨床心理士をはじめとする心理職を身近な存在として感じてもらえるように、活動の場を広げていきたいです。また今後は、公認心理師の資格取得もめざしていきたいと考えています。
戸惑うこと、悩むこともありますが、そのようなときには、私を支えてくれる医療領域・心理領域の先生方や先輩・仲間たち、さまざまな業界で働く友人たちからの情報やサポートが力になっています。それぞれの現場の生の声やアドバイスが心強く、私の臨床活動を支えてくれています。
今、皆さんの周りにいる人たちの存在やつながり、そのなかで得た経験が、心理職としての歩みに大きな力を貸してくれることもあります。一つひとつの出会いや共に過ごす時間を大切にしながら、夢や目標に向かって歩みを進めてください。
臨床心理士/産業カウンセラー/准看護師
山﨑 美佐子
いまの働きかた
慢性腎不全をはじめとする腎臓病とその周辺領域、透析治療を専門とする医療機関で、臨床心理士として勤務しています。
とくに透析医療については、本院と7つの関連透析施設を擁していることから、活動の場が広く、心療内科外来でのカウンセリングをはじめ、神経内科では、神経心理学的検査によるアセスメントを行うなど、各科の医師と連携しながら通院・入院する患者さんの心理的サポートを担当しています。
また、チーム医療の一員として患者さんやその家族と医療スタッフとのつなぎ役を担ったり、共に働くスタッフのストレスチェックやメンタルケアの相談など、各施設を横断的に活動しています。
心理職をめざした理由
看護職として働くなかで、患者さんの身体面への治療やケアを行っても、病気になったことによって生じたストレスなど心理・精神的な問題には十分にサポートができなかったり、気づくことすらできなかったりするときもありました。そして、たとえ身体面がよくなったとしても、心理的側面や社会的側面に問題が生じていると、治療や予後、人生に影響が及ぶことも実感しつつありました。もっと患者さんを深く理解し、身体的側面⇔心理的側面⇔社会的側面から対応できる力をつけたいと思っていたころ、たまたま乗車した電車の中で「臨床心理学科 新規開設!」と書かれた、大学の新入生募集のポスターを見て、「これだ!」と心を惹かれ、大学の臨床心理学科に進学しました。
当初は、看護の仕事に活かせたらと学び始めた心理学でしたが、勉強をしていくうちにその奥深さに夢中になり、心理職として働く事ができたらと考えるようになりました。その後、大学院に進学し、臨床心理士の資格を取得しました。
実際になってみて
患者さんが自ら病院に治療に来たとはいえ、自分の心の内や、生活のなかで起こっている問題を人に話す(見せる)ということは、簡単にできることではありません。また、臨床心理士の資格を持っているからといって、相手が自分のことを話してくれるようになるわけでもありません。まずは、私という人間に対して安心感を持ち、信頼してもらえる関係をつくること、この大切さと難しさを、日々、実感しています。そのうえで、相手に今どのような問題や不調が起こっているのか、それを理解するためには、何をどのように聴き、そこから何を読み取るのか。どのような姿勢や態度を向け、何に配慮し注意を払う必要があるのか。そして、どういった援助が有効になるのかなど、多くの知識と技術が求められます。
本当にこの対応でよかったのかと自分の未熟さに悩むこともありますが、患者さん自身が “心理士との関わりのなかで得た、新たな気づきや考え” によって回復し、それぞれの歩みを進めていく姿を見ることは喜びでもあります。
これから
医療機関で働いていると、心療内科や精神科など心の問題を扱う診療科でなくても、身体の健康と心の健康は互いに影響し合っていること、そしてその両者のバランスが崩れると、生活そのものがうまく営めなくなってしまうことを実感します。起こった身体的問題に心理的、社会的問題が深く影響していたり、起こった身体的問題によって新たに心理的、社会的問題を招いてしまうこともあります。また、身体問題の治療をしたくても心理的、社会的問題によってうまく進まないこともあります。
身体疾患を中心に扱う診療科で働く臨床心理士はまだ少なく、「一人ひとりを全人的に心と身体の両面から治療を行う」という過程に、十分に参画できていない現状があります。患者さんにもスタッフにも、多くの人に臨床心理士をはじめとする心理職を身近な存在として感じてもらえるように、活動の場を広げていきたいです。また今後は、公認心理師の資格取得もめざしていきたいと考えています。
心理職に就きたいと思っている学生へ
医療領域での臨床心理士の仕事の魅力は、病気や障害それに伴う心の問題などをきっかけに患者さんと出会い、カウンセリングや心理療法を通して患者さんのこれまでに歩んで来た人生に触れ、そして “これからの自分らしい歩み” を支えることにあると思います。多くの患者さんやその家族、共に働くスタッフとの出会いがありますが、一人として同じ人はいません。年齢、性別、出身地、職業、生活様式・・・はさまざまです。私自身の知識や技術・体験だけでは計り知れないことも多くあります。戸惑うこと、悩むこともありますが、そのようなときには、私を支えてくれる医療領域・心理領域の先生方や先輩・仲間たち、さまざまな業界で働く友人たちからの情報やサポートが力になっています。それぞれの現場の生の声やアドバイスが心強く、私の臨床活動を支えてくれています。
今、皆さんの周りにいる人たちの存在やつながり、そのなかで得た経験が、心理職としての歩みに大きな力を貸してくれることもあります。一つひとつの出会いや共に過ごす時間を大切にしながら、夢や目標に向かって歩みを進めてください。