Q1.神経組織の説明として不適切なものを選択せよ。
A.神経系の最小構成単位である神経細胞をニューロンと呼ぶ
B.ニューロンは神経細胞体や軸索、樹状突起からなる
C.脳の中での情報処理は、ニューロンの内部では電気信号によりやり取りされているが、シナプスにおいては、伝達物質によりやり取りされている
D.グリア細胞は神経細胞である
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Dが正解です。グリア細胞は、神経膠細胞とも呼ばれ、神経系を構成する神経細胞ではない細胞の総称です。グリア細胞の数は神経細胞の10倍以上あり、グリア細胞はニューロンの位置を固定(支持)したり、損傷した細胞などによる老廃物を除去したりするなど、神経細胞の働きを助けています。
Q2.脳の構造に関する説明として、不適切なものを選択せよ。
A.脳幹は生命の維持に最も不可欠な部位であるとされる
B.ブロードマンの脳地図の番号は生命の維持に重要な順に振られている
C.小脳にはプルキンエ細胞が見られる
D.大脳半球の機能的非対称性をラテラリティと呼ぶ
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Bが正解です。コルビニアン・ブロードマン(Brodmann, K.)は、大脳皮質を構造の違いにより52の領野に分けました。そして、調べた順に従って各部位に番号を振りました。各領野はそれぞれ異なった機能に関係しており、大脳の部位をさすときに、この脳地図は現在もよく用いられています。
Q3.高次脳機能の生理学的機序として、不適切なものを選択せよ。
A.生理学的には、意識は、覚醒状態の維持と同義である
B.脳幹網様体賦活系は、意識の神経基盤として中心的な役割を果たす
C.海馬は宣言的記憶を一時的に保持する
D.注意は、特定の脳の領野によって担われている
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Dが正解です。注意は意識(覚醒状態)と密接に関連しており、脳幹網様体、視床、基底核、大脳皮質などの領域をつなぐネットワークが関与しています。従って、広汎な脳領域の損傷ではほとんど何らかの注意障害が認められます。
Q4.遂行機能検査として用いられることが少ない検査を選択せよ。
A.言語流暢性検査
B.ウィスコンシン・カード分類検査(WCST)
C.ハノイの塔
D.三宅式記銘力検査
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Dが正解です。三宅式記銘力検査は、記憶障害の検査として分類されることが多いです。そのほかの記憶障害の検査には、ウェクスラー記憶検査改訂版(WMS-R)、リバーミード行動記憶検査(RBMT)、ベントン視覚記憶検査(BVRT)などが知られています。
■監修:長内優樹(Secondary, LLC)